経済産業省「未来の教室」STEAMライブラリー事業に採択

~順天堂大学医学部人体病理病態学講座 小倉加奈子先任准教授の「おしゃべり病理医のMEdit Labo -医学Medicine×編集Editで世界を読む」~

順天堂大学医学部人体病理病態学講座(順天堂大学医学部附属練馬病院 病理診断科) 小倉加奈子先任准教授は、 編集工学研究所と協力し、

高校生~一般向けの医学をめぐる学際的な教育コンテンツ「おしゃべり病理医のMEdit Labo -医学Medicine×編集Editで世界を読む」を提案し、

経済産業省「未来の教室」STEAMライブラリー事業に、 医学分野として唯一、 本学が採択されました。 ■内容

経済産業省は、 未来を見通しにくい時代を生きる子ども達一人一人が、 未来を創る当事者(チェンジメイカー)に育つための学習環境を構築するために、

2018年度より各種事業に取組んでいます。 今年度は、

「未来の教室」ビジョンにおいて提唱した「学びのSTEAM化」実現に向けたSTEAMライブラリー事業の概要が公表され、

2020年8月12日に公募が開始されました。

順天堂大学医学部人体病理病態学講座 小倉加奈子先任准教授は、 編集工学研究所と協力し、

高校生~一般向けの医学をめぐる学際的な教育コンテンツ「おしゃべり病理医のMEdit Labo -医学Medicine×編集Editで世界を読む」を提案し、

医学分野として唯一、 本学が採択されました。 この「おしゃべり病理医のMEdit Labo」は、 高校で学ぶカリキュラムと医学を重ね合わせた教材で、

「医学×バイオ」「医学×歴史」「医学×読書」の3つのテーマから構成されています。

「医学×バイオ」ではウイルス感染モデルと免疫機構、 「医学×歴史」では技術革新と医学の歴史の関係性、 「医学×読書」では医師の仕事における読み書きなど、

医学を別の視点から見つめ直す学際的な内容で、 情報編集の方法を通して、 様々な見方を体得するプログラムです。

■メッセージ

順天堂大学医学部人体病理学講座(練馬病院 病理診断科) 小倉加奈子 先任准教授

医学は専門性が高く、 医学部で学ぶという意識が強すぎるせいか、 中等教育において医学を扱う試みはほとんどありません。 しかし、 医療の在り方も医学の将来像も、

社会の変化に伴って変わっていくものです。 ウィズコロナの時代は特に、 医学や医療を多様な視点から観察、 評価し、 変革していく“総合的な知の力”が必要です。

このたび、 将来、 医療に何らかの形で関わりたいと思っている高校生を中心とした若い方々向けに、

医学や医療を多角的にみる柔軟な視野を獲得するための教育コンテンツを提案しました。

ウイルス感染とSNSの情報拡散との類似性を見出すような異なるデータを重ね合わせる分析力、 医学の歴史を技術革新や病名の変遷とともに考察する歴史観、

そして情報を取り入れ発信していく情報編集力とコミュニケーション能力を伸ばしていく、 ユニークな教材です。 広く教育現場でご活用いただきたいと思っています。

■今後の展望

映像や様々な資料を組み合わせた「おしゃべり病理医のMEdit Labo」の教材を開発し、

来年度からSTEAMライブラリープラットフォーム上で公開となる予定です。 公開後は、 全国、 誰でも、 どこでも活用できるプログラムとなります。

※「未来の教室」STEAMライブラリー事業

【STEAMとは?】

STEAMは、 Science, Technology, Engineering, Art(s), Mathematicsの頭文字をとった名称であり、

課題発見から課題解決まで、 協働にも重きを置く、 教科横断的な探究学習の意味で使われることが多い。 (今回本学が提案のコンテンツは、

MがMathematicsではなく、 Medicine(医学)であることに特色があります。 )

STEAMは、 これからの世界を生きていく子ども達に必要な資質・能力を得る学び方 (創造・共創・共存) であり、 世界的に見られる、

「学際的な研究活動・創造活動」を低年齢化させる教育改革の中心的な概念と言える。 発祥の米国を始め、 英国、 中国、 他アジア諸国等では、

国の教育政策の軸にも据えられ始めている。 日本国内に目を移しても、 新学習指導要領の中には共通する考え方が内包されている。

【何をどうやって学ぶのか?】

「さまざまな“循環” がある学びであること」「『その中心に “ワクワク” があること」を重視し、 学び手の主体的な行動が展開される。

学び手の好奇心を多方向に広げ、 当事者意識を育てていく。