季節や年齢による皮膚細菌叢の変化、加齢肌に存在する特徴的な細菌を共に発見

創業から135年、 美と健康を追求しつづけてきた桃谷順天館グループ(本社:大阪市中央区、 代表取締役社長:桃谷誠一郎)は、 一丸ファルコス株式会社と、

新たな美容理論の構築を目指し、 皮膚細菌叢と水分量・皮脂量・弾力などの皮膚パラメータとの関係性についての共同研究を実施しました。 その結果、

皮膚細菌叢が季節や年齢によって変化することを明らかにしました。

また、 加齢肌の改善の化粧品開発を目指し、 皮膚パラメータから加齢した肌の特徴を持つ被験者を抽出し、

それらの被験者の肌には特徴的な細菌が存在することを見出しました。 今後、 本成果をもとに当社の製品開発に応用していきます。

本研究成果に関しては2020年10月21日より開催された国際化粧品技術者連盟(以下、 IFSCC)の世界大会(The 31st IFSCC Congress

2020 YOKOHAMA)にてポスター発表致しました。

<研究内容>

肌には様々な皮膚常在菌が存在しています。 これらの細菌は皮膚細菌叢といわれ、 人の皮膚と相互に作用しているといわれますが、 その詳細は未だ明確ではありません。

そこで、 新たな美容理論の構築を目指し、 以下研究を進めました。

当社では、 冬(82名)、 春(74名)、 夏(79名)、 秋(74名)の年4回にわたり皮膚パラメータの測定を実施。

冬と夏の測定時には皮膚細菌叢も採取し皮膚パラメータと皮膚細菌叢との関係性、 季節や年齢による変化を確認しました。

1. 皮膚パラメータの季節変化については、 これまで知られているような季節変化や年齢による差が見られました。 例えば、 水分量は春夏にかけて高く、

秋冬は低くなり、 水分蒸散量は夏に低く、 秋冬に高くなります。 また、 メラニン量は夏が高く、 肌弾力は年齢と共に低くなります。

2. 皮膚細菌叢についてはこれまで同じ人、 同じ採取箇所では経時的に大きな変化はなく安定しているとされていましたが、

本研究では夏の方が多様な種類の細菌が存在することを表す、 多様性指数シャノンインデックスが高く、 必ずしも皮膚細菌叢は安定していないことが分かりました。

3. 冬の測定の際の皮膚パラメータと年齢の相関が高かった、 肌弾力の指標をもとに肌年齢を算出し、 実年齢より加齢した肌の特徴を持つ人(Agingグループ)、

年齢相当の肌の特徴を持つ人(Normalグループ)、 実年齢より若い肌の特徴を持つ人(Younger グループ)に分け(図1)、

それぞれのグループの皮膚パラメータを比較したところ、 被験者の年齢平均値は3グループで差がないにもかかわらず、 肌の明るさ、 赤み、 シミ、 ヘモグロビン値、

水分蒸散量について、 AgingグループとYoungerグループに有意に差がありました(図2)。

また、 AgingグループとYoungerグループの皮膚細菌叢を比較すると、

AgingグループでXanthomonas属とAcinetobacter属の細菌の存在比率が有意に多いことが分かりました(図3)。

今後これらの細菌と肌の加齢に関する研究を進め、 当社の製品の開発に役立てていきます。

図1 AgingグループとYoungerグループの被験者の肌画像

図1 AgingグループとYoungerグループの被験者の肌画像

図2 Agingグループ、

Normalグループ、

Youngerグループ の皮膚パラメータ

図2 Agingグループ、 Normalグループ、 Youngerグループ の皮膚パラメータ

Actual age 実年齢:3チームで年齢分布に差がないことを表している

Brightness 明るさ:younger群が高い

Redness 赤み :aging群が高い

Spots score しみ:younger群が少ない

Hemoglobin index ヘモグロビン:aging群が高い

TEWL 水分蒸散量:aging群が高い

図3 AgingグループとYoungerグループで存在比率に差があった細菌

図3 AgingグループとYoungerグループで存在比率に差があった細菌

IFSCC発表タイトル

「A study of the relationship between face skin parameters and skin

microbiome(顔の肌パラメータと皮膚細菌叢の関係性についての研究)」

<一丸ファルコス株式会社 会社概要>

一丸ファルコス株式会社(本社:岐阜県本巣市)は、 1959年の創立以来60年以上にわたり、 天然化粧品原料開発のパイオニアとして最先端の皮膚生理学の理論に学び、

薬用植物などを中心に幅広く化粧品、 医薬部外品、 健康食品になる機能性原料の研究開発を行っています。

天然資源から活性成分を探索し、 抽出精製、 製造販売を行っており、 現在では1000品目にわたる天然原料を、 国内外のユーザーに提供しています。

天然資源との共生を通じて世界の人びとの美と健康に貢献することを経営理念としています。

<会社概要>

桃谷順天館グループは、 1885年(明治18年)に創業してから美と健康を追求してきました。

「Thinking Forward for Beauty ~美しさの未来を夢見て~」をグループスローガンに掲げ、 4社からなるグループ経営を行っています。

「こころ彩る美肌創りを通じて人々の幸せに貢献します」を企業理念とし、 永い歴史とともに培った技術力と品質力をさらに進化させ、

国内外で包括的に『美』を提供する企業グループを目指し、 企業活動を続けています。

桃谷順天館グループのニュースリリース一覧

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/28974

■株式会社 桃谷順天館

http://www.e-cosmetics.co.jp/

【本社所在地】大阪市中央区上町1-4-1

【岡山工場所在地】岡山県和気郡和気町米澤629番1号

【創業】1885年6月

【資 本 金】9900万円

【事 業 内 容】化粧品等の製造・販売および輸出入

【代表取締役社長】桃谷 誠一郎

■株式会社 明色化粧品

http://www.meishoku.co.jp/

【創業】1993年12月

【資 本 金】1000万円

【事 業 内 容】化粧品等の販売

【代表取締役社長】桃谷 誠一郎

■株式会社 コスメテックジャパン

http://www.cosmetecjapan.com/

【創業】1993年12月

【資 本 金】1000万円

【事 業 内 容】化粧品等の製造・販売/OEM事業

【代表取締役CEO】藤本 謙介

■上海桃谷順天館化粧品商貿有限公司

http://www.e-cosmetics.cn/

【創業】2007年11月

【資 本 金】4000万円

【事 業 内 容】化粧品等の輸出入・販売

【董 事】服部 学