ハリウッド特殊メイクのカリスマ、リック・ベイカーの50年間におよぶ全仕事を集成した書籍『メタモルフォシス』日本語版が限定1,000部で発売。全国書店で予約受付開始!

株式会社河出書房新社(東京都渋谷区/代表取締役社長小野寺優)は、 ハリウッド映画の特殊メイクを手がけた伝説的メイクアップアーティスト、

リック・ベイカーの評伝・作品集『メタモルフォシス リック・ベイカー全仕事』を2021年6月下旬頃に限定1,000部で発売します。 全国書店で予約受付開始。

* モンスター・メイクの神様、 ファン待望のコンプリート・ワークス

ハリウッド映画の代表的名作の数々、 その舞台裏を初公開。 画期的な効果が光る『狼男アメリカン』、 マイケル・ジャクソンとゾンビを組み合わせた『スリラー』、

目新しいエイリアンがてんこ盛りの『メン・イン・ブラック』など、 50年間総110作品にわたる偉業をフルカラー2冊本に集成。 計700ページ超、

作品やスケッチ1800点以上を収録した決定版。

* 本人による撮影秘話満載!&豪華関係者による特別寄稿!

こんな人生を送るとは夢にも思っていなかった。 世界を見、 有名人に会い、 ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムの星までもらった。 まったく、

クレイジーじゃないか? 本書を楽しんでいただきたい。 僕が自分の人生を歩み、 作品を作って楽しんできたように。

──リック・ベイカー(特殊メイクアップアーティスト、 本書の主人公)

リックは世界的に有名な映画製作者とも、 正真正銘の駄作製作者とも仕事をしてきた。 写真やデッサン満載のこの2巻セットは、 彼の名人技に捧げるべく作られた。

リックにまつわる興味深い話がたくさんあるんだ。

──ジョン・ランディス(『狼男アメリカン』『スリラー』監督)

リックは常に最高水準のものを生み出してきた。 きわめて詳細に書かれた本書のなかでJ・W・リンズラーが記しているように、 リックは仕事の質を落とすことなく、

荒波を渡っていく方法を見出したんだ。

──ピーター・ジャクソン(『ロード・オブ・ザ・リング』監督)

リックに電話し、 もう私を追い越していることを告げ、 きみを誇りに思うと言った。 だが、 私の本心だと言ってもリックは事実を認めようとしない。 この本を読み、

彼の天才ぶりを目にしたら、 あの老人は正しかったとリックに一筆書き送っていただきたい。

──ディック・スミス(『エクソシスト』特殊メイク)

* 本書に出てくるエピソード

○『狼男アメリカン』

「『狼男アメリカン』は実現しないと思っていたんだ」とベイカー。 「ところが『ハウリング』を引き受けたほんの数週間後にジョン・ランディスが電話してきた。

グッドニュースだ、 『狼男アメリカン』を撮ることになったぞって。 こういうことってよくあるんだ。 『実は別の狼男映画を引き受けたところなんだ』と答えたら、

ジョンは『この野郎!』と怒鳴りだした。

○未完に終わった『Night Skies』(のちの『E.T.』)

10月12日、 スピルバーグはハワイで『レイダース』の撮影を終え、 アメリカに戻った。 10月21日にベイカーと会った彼は、

ストーリーの新たな展開について説明し、 予算について深刻な懸念を表明した。 ベイカーは日記にこう書いている。 「『Night Skies』は変わってしまった。

新たな脚本。 新たなE.T.。 最初からすべてやり直しだ。 予定外の膨大な時間が必要になる。 『狼男アメリカン』とバッティングしてしまう。

ショックだ……これほどの変更は受け入れがたい」

○『ヴィデオドローム』

「『ヴィデオドローム』については、 こんなこと、 どうすりゃいいんだ? だいたい、 なんでこういうことを思いつくんだ? というのが本音だった。

腹にヴァギナのような割れ目ができ、 そこにうっかり銃を突っこむ男とかが登場するんだ。 自分の身を守ることも大切だけど、 見積もりは妥当なものにしないといけない。

本当に難しい」(RB)

○『スリラー』

「『スリラー』のダンスを初めて、 それも目の前で、 ライブで見たとき、 まさに……そのときジョン・ランディスが言った。 『見ておけよ、 リック。 これからは、

『スリラー』を手がけた人としてみんなに覚えられる。 どんな仕事をしてもだ』。 じつは大スターのメイクをするのは怖かったんだ。

とても気むずかしいんじゃないかと思っていたが、 びっくりするほど一緒に仕事しやすく、 しかも彼はメイクされるのが好きだった。

これはメイクアップアーティストにとって、 本当に助かるんだ」(RB)

○『星の王子 ニューヨークへ行く』

「エディ・マーフィはメイクが終わったら、 姿を消してしまった。 ゴルフカートでパラマウント・スタジオに行き、 知り合いのいるオフィスひとつひとつに顔を出し、

自分とわかるか人の反応を見て回っていたんだ。 誰もエディと気づかなかった。 年配の秘書とデートし、 知り合いのプロデューサーに脚本を売りつけようとまでしていた」

○『エド・ウッド』

ティム・バートンは言う。 「マーティン・ランドーのメイクテストを始めたとき、 私とメイクアップアーティストのリック・ベイカーは疑問を抱いた。

『ベラ・ルゴシの目は何色だ?』 ルゴシのカラー写真は誰も見たことがない。 ルゴシは白黒映画のスターだったから」。 「もともと、

映画はカラーにする予定だった」とベイカー。 「どうもしっくり来ないなとティムが言った。 それで僕は『モニターのカラーをオフにしてみよう、

そしたら白黒になるから』と言ったんだ」

○『メン・イン・ブラック』

脚本を読んだリック・ベイカーはアンブリンに車を飛ばした。 「地球にいるエイリアンの映画なんだが、 脚本には基本的に1体も登場しない。 僕はこういう人間だろう?

『もっとエイリアンを出すべきだ』って言い続けたんだ」。 バリー・ソネンフェルド監督は言う。 「どんなエイリアンが映画に出てくるのか見当もつかなかったよ。

『エイリアン』は少し見たんだけど、 怖くて途中で映画館を出てしまってね。 どこから手をつけていいかもわからなかった」

○『PLANET OF THE APES/猿の惑星』

時間的にも作業量も非常に苦しくなると知りながら、 ベイカーは契約を交わした。 「この映画のために生まれてきた」と感じていたからだ。

「『愛は霧のかなたに』が終わったとき、 猿を作ることはもうないだろうと思っていた。 その後に『マイティ・ジョー』をやり、 これで終わったと思った。 そうしたら、

この話が舞い込んできたんだ──究極の猿プロジェクトが!」

* 日本語版は2021年6月下旬に1,000部限定で発売。 全国書店で予約受付中

書名:メタモルフォシス リック・ベイカー全作品

●リック・ベイカー プロフィール

伝説的な特殊メイクアップアーティスト。 子どもの頃からキッチンで模型を作っていた“モンスター・メーカー”は、

やがて70本以上もの映画やテレビ番組にその名を残し、 7回のアカデミー賞、 3回の英国アカデミー賞、

そしてエミー賞をはじめとする数々の輝かしい栄光を授かるにいたる。

画期的な効果が光る『狼男アメリカン』、 マイケル・ジャクソンとゾンビを組み合わせた『スリラー』、 リアルなビッグフットが登場する『ハリーとヘンダスン一家』、

目新しいエイリアンがてんこ盛りの『メン・イン・ブラック』。 そのほか、 『エクソシスト』から『デス・レース2000年』、 『キングコング』、

『ケンタッキー・フライド・ムービー』、 『スター・ウォーズ』、 『ヴィデオドローム』、 『愛は霧のかなたに』、 『星の王子ニューヨークへ行く』、

『グレムリン2』、 『エド・ウッド』、 『ナッティ・プロフェッサー』、 『PLANET OF THE APES/猿の惑星』、 『もしも昨日が選べたら』、

『トロピック・サンダー』、 『『マレフィセント』……コンピュータグラフィックスが主流となる21世初頭まで、

ハリウッド映画界における特殊効果の黄金時代を牽引。

●著者プロフィール

J・W・リンズラー

元ルーカス・フィルム エグゼクティヴ・エディター。

建築家。 ハーバード大学出身。 1988年文部省の奨学金を得て東京大学原広司研究室で修士論文を執筆。 著書に『藤本壮介建築作品集』などがある。

●訳者プロフィール

北川玲 きたがわ・れい

翻訳者。 訳書に『日本のデザイン1945–』『ディック・ブルーナ』、 『死の美術大全』、 『OUR PLANET』などがある。

ISBN978-4-309-29132-1

本体予価 39,000円(税込42,900円)

2021年6月下旬発売予定

https://web.kawade.co.jp/bungei/13709/

河出書房新社

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