育て世代の既婚女性「コロナ禍で出産/子育てに不安を感じる」81.4%~「感染リスク」や「友人知人とコミュニケーションが取れないこと」が要因~

【夫婦の出産意識調査2021】子育て世代の既婚女性「コロナ禍で出産/子育てに不安を感じる」81.4%~「感染リスク」や「友人知人とコミュニケーションが取れないこと」が要因~

コロナ禍で出産/子育てに不安を感じている方、「二人目の壁を感じる」75.8% 公益財団法人1more Baby応援団(所在地:東京都港区、

理事長:森まさこ)は、 日本から少子化問題をなくしたいという想いのもと、 このたび、 「夫婦の出産意識調査2021」を実施、 その結果をご報告いたします。

本調査は2013年から調査を開始し、 今年で9回目となります。 今回は、 既婚者2,954名に加え、 自身、 配偶者が不妊治療を検討、

経験したことがある方839名に対し、 調査を実施しています。

*本リリースでは、 調査対象者の説明のない数字については既婚男女2,954名の結果としています。

【トピックス】 * 子育て世代の既婚女性「コロナ禍で出産/子育てに不安を感じる」81.4%

1.「コロナ禍で出産/子育てに不安やストレス、 孤独を感じる」は、 男女間で15.8ポイントの開き

【女性】「コロナ禍によって現在、 出産や子育てに不安やストレス、 孤独を感じる」81.4%

その理由は、 「友人・知人とコミュニケーションを取る機会が減ったこと」71.6%

男女を比較すると、 女性81.4%、 男性65.6%と15.8ポイントもの開きがあり、

女性はコロナ禍によって出産/子育てへの不安をより感じていることが分かった。 また不安やストレス、 孤独の要因として男女差が大きいものでは、

「友人・知人とコミュニケーションを取る機会が減ったこと」(女性71.6%、 男性58.5%)で13.1ポイントの開きがあった。 さらに、

不安やストレスを感じている方のうち、 75.8%の方が「二人目の壁」を実感しており、 第2子以降の出産意識への影響もみられる。

* コロナ禍や支援制度変更によって遠のいた日本の「産み育てやすさ」

2.「日本は子どもを産みやすい国に近づいてない」76.3%

「日本は子どもを育てやすい国に近づいていない」の回答も75.8%と新型コロナウイルスによる環境の変化が生活者の意識にも影響を与えたことがうかがえる。 また、

児童手当の給付対象に所得制限を設けたことに41.9.%の方が「問題だと思う」と回答しており、 「子育て支援は収入に関わらず平等であるべき」との声も上がった。

* 不妊治療検討・経験者、 不妊治療の保険適用に期待する一方、 不安な声も多く

3.不妊治療検討・経験者の50.3%が不妊治療の保険適用を希望 治療方法には柔軟性を求める

不妊治療検討・経験者のうち、 不妊治療の保険適用を希望する方は全体で50.3%でしたが、 不妊治療に関する知識レベルによって差が見られ、

知識レベルが高い人ほど保険適用に不安を感じていることが分かりました。

保険適用に期待することは、 経済的負担の軽減が73.1%と最も多く、 次いで回数制限や年齢制限がなくなることが期待されています。 一方で、

混合診療への期待や金額よりも妊娠する確率が高まる制度を望んでいることが分かりました。 * コロナ禍で家族の絆を再認識 『ファミリノベーション』を実践する家族

4.コロナ禍の不安の中で家族の大切さを再認識する家庭も

コロナ禍において「日々の過ごし方や仕事に対する向き合い方を変えた」は57.6%。その中で「仕事よりも家族が大切だ」と回答した方は79.7%と非常に高い割合でした。

この方たちは「コロナ禍において子育て・出産に不安やストレスを感じる」(83.5%)と回答した一方で、 「子どもと過ごす時間を増やした」(72.9%)、

「パートナーに感謝の言葉をかけた」(55.6%)など、 コロナ禍での新しい仕事や生活スタイルの中で家族の大切さを再認識し、 行動していることが分かりました。

このような行動と意識の変容させることを1more Baby応援団では、 「ファミリノベーション」と定義します。

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【調査対象】

■既婚者2,954名の条件

・対象:既婚女性20-39歳、 既婚男性20-49歳(男性は妻が39歳以下かつ結婚14年以下)

・割付条件1.:全国各都道府県均一回収(各県63名)

・割付条件2.:既婚子なし/既婚子1人/既婚子2人以上 それぞれを均一回収

⇒47(都道府県)×3(子ども条件)=141セルのそれぞれを21名ずつ、 計2,954名回収

※尚、 佐賀県(57名)で一部未回収のため、 本来の回収数(2,961名)からは少ない回収数を

回収後、 1.各都道府県の人口比、 2.一世帯の子ども人数の構成比を平成27年総務省統計データから参照し、 補正値を算出

■自身、 配偶者が不妊治療を検討・経験したことがある方 839名の条件

・年齢:既婚女性 20-39 歳、 既婚男性 20-49 歳(男性は妻が 39 歳以下)

・割付条件:第 1 子の出産に向けて不妊を検討/治療中/中断

第 1 子の出産に向けて不妊を経験後出産/中断後出産

第 2 子以上の出産に向けて不妊を検討/治療中/中断

第 2 子以上の出産に向けて不妊を経験後出産/中断後出産

⇒以上 10 セル、 計 839 名回収

■調査方法:インターネット

*本リリースでは、 調査対象者の説明のない数字については、 既婚男女2,954名の結果としています。

■調査実施期間

事前調査 : 2021/03/24 ~ 2021/03/31

本調査 : 2021/03/26 ~ 2021/03/31 * 子育て世代の既婚女性「コロナ禍で出産/子育てに不安を感じる」81.4%

1.「コロナ禍で出産/子育てに不安やストレス、 孤独を感じる」は、 男女間で15.8ポイントの開き

今回の調査で、 「新型コロナウイルスの影響によって現在、 出産や子育てに不安やストレス、 孤独を感じますか?」という質問に対し、

子育て世代の既婚女性81.4%の方が「感じる」と回答しました。 <グラフ1>また、 女性の不安が増した項目では、

「外出やレジャーの機会が減ったこと」(79.4%)が最も多く、 次に「自分や家族に新型コロナウイルスの感染リスクがあること」(78.6%)、

「友人・知人とコミュニケーションを取る機会が減ったこと」(71.6%)と続き、 社会との接点の減少や家族の感染・健康を心配し、

不安やストレスを感じているという結果となりました。 <グラフ2>一方、 男性は65.6%となり、 女性よりは低いものの、

男女ともに6割以上の方が不安を感じている結果となりました。

コロナ禍で出産/子育てに不安を感じている方のうち、 75.8%の方が「二人目の壁」を実感

理想の子どもの人数<グラフ3>を尋ねたところ、 理想の子どもの人数が二人以上と回答した方は65.6%でした。一方、

「二人目の壁」について「存在すると思う」と答えた人は全体の71.6%で、 調査開始以来9年連続で7割以上となり、 慢性的な社会課題であることが顕在化されました。

また、 「新型コロナウイルスの影響で出産・育児に不安を感じている」と回答した方を見ると、 不安に比例して「二人目の壁」の実感が高くなっており、

不安を「大いに感じる」方は83.7%、 「感じる」方は68.9%、 「感じない」方は57.5%となりました。 <グラフ4>また、

「二人目の壁」を感じる理由の上位は「経済的な理由」(79.5%)、 「第一子の子育てで手いっぱい」(52.4%)、 「年齢的な理由」(49.9%)となりました。

※「生活費や教育費に関連した家計の見通しや、 仕事等の環境、 年齢等を考慮し、 第二子以降の出産をためらうこと」を指します。

* コロナ禍の不安や児童手当の変更が影響「子どもを産みやすい国に近づいていない」76.3%

2.コロナ禍によるストレスや不安感に比例し、 不安の割合は上昇

「日本は子どもを『産みやすい』国に近づいているか」を聞いたところ、

「産みやすい国に近づいていない」と答えた人は全体で76.3%でした。コロナ禍に不安を感じる人ほど割合は高い傾向にあり、 「不安を大いに感じる人」は79.2%、

「不安を感じない」と回答した人の72.5%と、 不安に比例して割合が上昇する結果となっています。 <グラフ5>また、

「『育てやすい』国に近づいているか」についても同様の結果となり、 コロナ禍の不安が出産・子育て環境に対する意識に影響を与えていることが伺えます。

コロナ禍に「不安を大いに感じる人」の具体的な理由の上位3つは「社会制度が整っていない」83.4%(全体76.3%)、

「保育・学校にかかるお金が高い」74.4%(全体66.1%)、「給与が低い(または上がる見込みがない)」65.7%(全体58.6%)でした。

いずれも全体より高いポイントとなり、 コロナ禍による不安感も重なり、 より社会制度や育児環境の改善を求めていることが分かります。 <グラフ6>

児童手当の給付に所得制限を設けることに対し「問題だと思う」41.9%

2020年10月より児童手当に所得制限が設けられたことについて、 「問題だと思う」と回答した方は、 全体で41.9%いました。

自分自身は今後も支給の対象となる人だけで見ても、 30.4%となりました。 問題だと思う理由を聞くと、 「子育てへの支援は、

収入に関わらず平等であるべきだと思う」51.6%、 「経済面で、 今後の出産や子育て計画に影響が出るから」39.1%、 「高収入な世帯ほど、

より高い税金を払っているから」33.5%<グラフ7>となり所得制限を設けることに疑問を持つ声があることが分かりました。 また、 「問題だと思う」と答えた方で、

子どもを「産みやすい国に近づいていない」と回答した方は80.3%で、 日本が子どもを産み育てやすい国に近づくためには、

多くの方が納得できる政策が求められていることが分かりました。

* 不妊治療検討・経験者の50.3%が不妊治療の保険適用に期待、 一方で不安な声も

3. 「混合診療への期待」や「最新の治療方法が受けられなくなる懸念」、 「金額よりも妊娠率を重視」する声

2022年4月から不妊治療の助成金が廃止され、 新たに不妊治療が保険適用となる予定です。 そこで、 不妊治療を検討、 または経験した方(以下、 不妊経験者)に、

助成金制度と保険適用のどちらが良いかを尋ねたところ、 全体では「保険適用の方が良いと思う」(50.3%)、 「助成制度の方が良いと思う」(31.9%)、

「よくわからない」(17.8%)となりました。 しかし、 不妊治療に関する知識の差によって回答が異なり、

知識が高いグループほど「助成制度の方が良いと思う」という回答割合が高くなり、 知識が低いグループほど「分からない」の割合が高い結果となりました。

<グラフ8>保険制度について詳細が決まっていない状況ですが、 知識が高い方ほど保険制度への懸念が大きいことが分かりました。

保険制度へ期待することについて聞いてみると、 経済的負担の軽減(73.1%)が1位となり、 2位「回数制限がなくなること」(39.8%)、

3位「助成金のような窓口での一時負担がなくなること」(36.4%)と続きました。

これを、 「現在子どもがいない人」で見てみると、 「助成金のような回数制限がなくなる」(47.8%)や「治療費も重要だが、

妊娠する確率が高い方がさらに重要だ」(40.0%)の割合が高くなっており、 切に妊娠を希望する声が反映された結果となった。 <グラフ9>また、

不妊治療に関する「知識が高い人」では、 1位は同じであるが、 2位は「保険適用となる治療と、

適用外の治療を同時にできるようにしてほしい」(44.3%)となっており、 最新の治療も行える混合診療へのニーズが反映された結果となりました。 <グラフ10>

「妊活治療」は企業のサポートも求められる時代へ

さらに、 不妊治療に関する金銭面以外のサポートへのニーズについて質問したところ、 「勤務先での不妊治療に対する上司、 同僚などの理解(風土)」(58.0%)、

「不妊治療として申告せずとも、 有給休暇をいつでも、 誰でも取得できる風土」(52.9%)、

「企業における不妊治療を目的とした休暇制度や時間単位の休暇」(48.1%)と、 企業からのサポート対応を求める声が多く見受けられました。 <グラフ11>

* コロナ禍で感じる不安やストレス 「ファミリノベーション」を経て再認識する家族の絆

4.コロナ禍で生活や仕事のスタイルを変えた人、 「仕事よりも家族が大切だ」79.7%

コロナ禍において日々の過ごし方や仕事に対する向き合い方、 家族やパートナーとの向き合い方を「変えていった人」は57.6%でした。 <グラフ12>この方たちは、

「新型コロナウイルスの影響により自身の収入が減った」(67.8%)や、

「新型コロナウイルスの影響により出産・子育てへの不安・ストレスを感じる」(62.4%)など、 新型コロナウイルスの影響により、

劇的に変化する生活や出産・育児環境の中で、 「変えていない人」と比較するとより多くの不安を抱えていることが分かりました。

具体的に変えた点は「子どもと過ごす時間を増やした」(72.9%)や、 「パートナーに感謝の言葉をかけた」(55.6%)などであり、

家族とのコミュニケーションに関わるものの割合が高い傾向にありました。 このように「変えていった人」は、

「仕事よりも家族が大切だ」と79.7%の方が回答しており、 コロナ禍によって生活や仕事に不安を抱えながらも、 家族との絆を再認識していることが分かりました。

<グラフ13>このように、 変化する社会環境に順応するために、 現在の生活や仕事のスタイルを変えることによって改めて家族の価値を再認識する行動変容を、

「ファミリノベーション」と定義します。

また、「ファミリノベーション」を行っている方(以下「ファミリノ層」とする)と、 行っていない方(以下「非ファミリノ層」とする)の「今後の出産意向」を比較すると、

ファミリノ層では54.0%、 非ファミリノ層では43.6%となりました。 <グラフ14>

ファミリノ層の生活スタイルや考え方が、 「二人目の壁」を乗り越えるための大きなヒントになるのではないでしょうか。

【調査主体について】

公益財団法人1more Baby応援団

理想の数だけ子どもを産み育てられる社会を実現するため、 結婚・妊娠・出産・子育て支援に関する情報提供及びその実現に必要な事業を行い、

将来の活力ある社会環境の維持・発展のために寄与することを目的に活動。

「1more Baby応援団」ポータルサイトと公式Facebookページでは、 出産に関するママ・パパの意識を把握するための調査結果や、 「もうひとり、

こどもが欲しい」という家族の想いを応援する情報を発信しています。

設立日:2015年1月15日(2017年10月公益財団化)

所在地:東京都港区高輪3丁目22番9号

電 話:03-6840-8836

理事長:森まさこ

<活動内容・実績>

第3回シンポジウムオランダから学ぶ自治体・企業の働き方改革 2017年5月

シンポジウム in三重 “世界一子どもが幸せな国”オランダと地域の先進企業から学ぶ「企業の働き方改革・次世代育成応援」 2018年2月

ワンモア・ベイビー応援団 大交流会 in いわき~かぞくを、 もうひとり~ 2018年11月

<出版物>18時に帰る ~「世界一子どもが幸せな国」オランダの家族から学ぶ幸せになる働き方~

なぜあの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか?ママ・パパ1045人に聞いた本当のコト

*「1more Baby応援団」ポータルサイト (

https://1morebaby.jp

*「1more Baby応援団」Facebook (

https://facebook.com/1morebaby

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