早稲田大学×シーボン.共同研究。UVAがもたらす新たな肌ダメージを解明。SASP関連因子の分泌によって肌細胞が老化誘導される可能性を確認

早稲田大学×シーボン.共同研究。UVAがもたらす新たな肌ダメージを解明。SASP関連因子の分泌によって肌細胞が老化誘導される可能性を確認

独自のビューティ・プログラム「ホームケア+サロンケア」を展開する株式会社シーボン(東証一部上場、以下シーボン.) は、早稲田大学人間科学学術院健康福祉科学科

原太一教授と共同で研究を行い、下記、研究結果を見出しました。 1. UVAを正常ヒト皮膚線維芽細胞へ照射することで、SASP

※1関連因子の一種であるIGFBP7 ※2遺伝子の発現が増加

2. さらに、IGFBP7

を細胞へ直接添加することにより老化関連マーカーp21遺伝子※3の発現が増加。

UVAの正常ヒト皮膚線維芽細胞への影響として、「周囲の細胞を老化させるSASP関連因子が分泌されることで、周囲の細胞を老化誘導し、老化が促進される可能性がある」ことが明らかになりました。

※1 SASPとは

老化した細胞は周囲の細胞へ影響を与える因子を分泌します。

この現象はSASP(Senescence-associated secretory phenotype)と呼ばれており、近年医療の分野で着目されています。

この現象は肌においても同様であり、老化した細胞からSASP関連因子が分泌され、周囲の細胞の老化を促進していることが分かってきました。

※2 IGFBP7とは

インスリン様増殖因子結合タンパク質-7。 SASP関連因子の一種。

※3 老化関連マーカーp21遺伝子とは

老化細胞で高発現する遺伝子。 p21遺伝子の発現量を測定することで、老化細胞の度合いを把握することができる。

本研究成果の一部は、2021年6月25日(金)~26日(土)に開催された第46回日本香粧品学会(WEB開催)にて発表しました。

* 研究の背景

紫外線は、波長の長さによってUVA、UVB、UVCに分けられ、その中でも長波長UVA(320-400nm)は地表に届く紫外線の約9割を占め、皮膚の真皮にまで到達します。

UVAの肌の影響として、シワやシミ等、これまでも多くの報告がありましたが、それ以外にもUVAが要因で起こりうる肌への影響があると考え、研究を行いました。

* 研究詳細

1.正常ヒト皮膚線維芽細胞にUVAを照射すると、細胞老化を引き起こすSASP関連因子の発現が増加する

正常ヒト皮膚線維芽細胞へUVAを照射した際の

遺伝子変動を網羅的に解析したところ、

これまでUVAの影響として報告がある遺伝子群

の発現変動が見られたとともに、SASP関連の遺

伝子群の発現が上昇していることが分かりました。

さらに詳細に解析を行った結果、SASP関連遺伝子群のうち、

IGFBP7遺伝子の発現が顕著に増加したことが明らかとなりました。

2.SASP関連因子「IGFBP7」は老化関連マーカーp21遺伝子の発現を

増加させる

正常ヒト皮膚線維芽細胞へIGFBP7を作用させ、老化関連マーカー

p21遺伝子の発現を解析した結果、p21遺伝子の発現を増加させる

ことが分かりました。

これより、UVA照射によってIGFBP7の発現が増加し、

正常ヒト皮膚線維芽細胞が老化することが示唆されました。

当社では本研究を通じて、より革新的なスキンケア製品の開発に努めてまいります。