日本メドトロニック 日本初のハイブリッドクローズドループ(HCL)テクノロジー搭載 インスリンポンプ「ミニメド(TM)770Gシステム」の販売を開始

日本初のハイブリッドクローズドループ(HCL)テクノロジー搭載 インスリンポンプ「ミニメド(TM)770Gシステム」の販売を開始

日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区、 代表取締役社長:ロブ サンドフェルダー )は、 基礎インスリン注入量を自動調整することで、

インスリン治療を必要とする患者さんの生活の質(QOL)向上に寄与することが期待されるテクノロジー「ハイブリッドクローズドループ(HCL)」を搭載したインスリンポンプ「ミニメド(TM)770Gシステム」の製造販売承認を2021年9月17日に取得し、

2022年1月20日より販売を開始いたします。

「ミニメド(TM)770Gシステム」(販売名:メドトロニック ミニメド 700シリーズ/承認番号:30300BZX00256000) [https://prtimes.jp/i/33801/37/resize/d33801-37-a4cdec0edbb7d4856734-0.png&s3=33801-37-92cfdd3c644e80c816421bf245ed6324-1750×1886.png]

「ミニメド(TM)770Gシステム」(販売名:メドトロニック ミニメド 700シリーズ/承認番号:30300BZX00256000)

ミニメド™770Gシステムは、 日本初のハイブリッドクローズドループ (Hybrid Closed Loop:以下、

HCL)テクノロジーを搭載したインスリンポンプです。 独自技術である「スマートガード™オートモード」 により、 患者さんに合わせ、

自動で高血糖と低血糖の両方を予防し、 血糖値をコントロールし目標範囲に維持する手助けをするよう設計されています。

日本において、 推定100万人以上の糖尿病患者さんがインスリン治療を行っていて、

インスリンを使用している糖尿病患者さんの中には血糖コントロールに対する身体的・心理的負担(*1)を日常的に強く感じている方が多くいらっしゃいます。

患者さんはその時々の体調や運動量、 心理状況、 食事の量と質、 女性であれば生理周期など様々な要因を考慮の上、 インスリンの適切な量をご自身で考え、 投与し、

高・低血糖の両方を防ぎながらコントロールすることを目指します。 しかし、 それは言葉で表すほど容易なことではありません。

このミニメド™770Gシステムに搭載された「スマートガード™オートモード」は、 患者さんの過去のインスリン注入履歴と、

リアルタイムCGMから5分ごとに得られるセンサグルコース値に基づき、 システムが注入する基礎インスリンを患者さんに適した量に自動で調整します。

食事の際には患者さんご自身による追加インスリン注入が必要になりますが、 糖質量と血糖値の入力をボタン操作で行うことで、 システムが推奨するインスリン量を計算し、

表示します。 この機能により、 血糖値が最適な目標範囲内にある時間(Time in Range:以下、 TIR)を最大化するため、

日中だけでなく夜間も含め24時間、 血糖値を目標範囲内に保つためのサポートをすることが可能となり、 その結果として、 患者さんのQOLの向上が期待されます。

さらにミニメド™770GシステムはBluetooth(R)技術を搭載しており、 スマートフォン連携も可能となりました。 患者

さんは「ミニメド™モバイルアプリ」を使用することで、 リアルタイムCGMから得られるインスリンポンプデータの一部(*2)を、

インスリンポンプを取り出すことなく、 アプリ(*3)を利用しスマートフォンで確認できます 。 また、

「ケアリンク™コネクトアプリ」を介してご家族や保護者など任意の相手にリアルタイムでデータを共有したり、

センサグルコース値が目標範囲外の場合はアプリより通知を送信したりすることが可能です。 さらに、 これらのデータは、

主治医とリアルタイムに共有することもできるため、 診療時間の短縮やオンライン診療への活用が期待されます。

東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科教授の西村理明氏は以下のように述べています。

「ミニメド™770Gシステムの登場によって、 ついに日本でもHCLテクノロジーの効果を享受できるようになります。

インスリン治療において血糖値を適切な範囲に維持することは患者さん・医療者の双方にとっての目標であり、 大きな課題でした。

生活、 仕事、 体調などで必要なインスリン量は常に変化します。 従って、 医師の指示通りにインスリンを注射・注入していても、

高・低血糖は様々な要因によって起こりえます。 しかし、 今回のHCLの登場によって、 インスリン治療は大きく飛躍するでしょう。

機器が自動で基礎インスリン量の調整を行い、 血糖値を目標範囲内に維持するサポートをしてくれるのです。 」

日本メドトロニック株式会社ダイアビーティスシニアダイレクター岡 光代は、

「待ちに待った日本初のハイブリッドクローズドループを本邦で導入できることを大変喜ばしく思います。 どんな人でも、 血糖変動は2日と同じ日はなく、

多くの患者さんが日々の血糖コントロールに苦労されてきました。 このインスリンポンプの登場により 、 患者さん

が“インスリン治療に合わせた生活”から“生活に合わせたインスリン治療”への転換ができ、 学業や仕事、 遊びに対してより自由で、 負担が少ない生活が送れるよう、

弊社は患者さんとその患者さんを大切に想うすべての人のために、 サポートを続けてまいります。 」と述べています。

ミニメド™770Gシステムは米国をはじめ諸外国ではすでに販売され、 インスリンポンプによる治療を必要とする多くの糖尿病患者さんに使用されています。

【スマートガード™・スマートガード™オートモードとは】

ミニメド™770Gシステムに搭載された、 基礎インスリンの自動調整・追加インスリンの注入量決定サポートを行うことで、

高・低血糖を防ぎながらセンサグルコース値を目標範囲内に維持するためのHCLテクノロジーの機能名称です。

【HCL(ハイブリッドクローズドループ)とは】

インスリンポンプと連動したCGMより5分ごとに得られるセンサグルコース値に基づき、 システムが基礎インスリン量を自動調整し、 高・低血糖を軽減、

血糖値を目標範囲に維持するためのするテクノロジーで、 ミニメド™770Gシステムでは「スマートガード™オートモード」として搭載されています。

例えばセンサグルコース値が高値になることを予測すると基礎インスリンの注入量を増量、

センサグルコース値が低値になることを予測するとインスリンの注入量を減量するなど、 日中だけでなく夜間帯も含めた24時間、

血糖値を目標範囲内に保つ(センサグルコース値を70 – 180 mg/dLに保つ)ためのサポートをします。

一方、 食事を摂取した際に必要となる追加インスリンは、 手動で血糖値と見積もった糖質量を手動入力し、 患者さん自身が推奨インスリン量を注入する必要があるため、

「人工すい臓」とも呼ばれる「クローズドループ」に対し、 「ハイブリッドクローズドループ」と呼称されます。

糖尿病治療におけるHCLの有用性、 安全性 に関してはすでに海外で多くの研究がなされています。

例えば思春期・成人・小児の1型糖尿病患者さんを対象にした二つの臨床試験(*4)では、 在宅でHCLを使用した結果、

センサグルコース値が目標範囲である70mg/dl~180mg/dlにとどまる時間(Time in Range:TIR)は増加(改善)し、

目標範囲を下回る時間(Time Below Range: TBR)や目標範囲を上回る時間(Time Above Rang:

TAR)は減少(改善)したことが示されました。

両試験とも試験期間中にインスリン治療に伴う大きなリスクである重症低血糖および糖尿病性ケトアシドーシスの発生はなく、

これによりHCLはセンサグルコース値をより長い時間目標範囲に維持し、 HbA1cを低下させることが示されています。

【基礎インスリン・追加インスリンとは】

生命活動を維持するために必要なホルモンの多くは血糖値を上昇させる作用があるため、

血糖値を直接的に下げることができる唯一のホルモンであるインスリンは24時間絶えず分泌されています。 このインスリンを「基礎インスリン」と呼びます。 また、

食事などによって血糖値が急激に上昇した時もインスリンは急峻に分泌され、 このインスリンを「追加インスリン」と呼びます。

【TIR(Time in Range)とは】

CGMによる測定期間中、 センサグルコース値がどの程度目標範囲内に入っているかを示す指標で、 CGMの普及に伴い重視されるようになりました。

2019年ADA(American Diabetes Association)より、

「CGM使用時の1型および2型糖尿病の治療目標としてTIRを70mg/dLから180mg/dLとし、 HbA1c7%の患者さんの場合は全体の70%

の時間(CGMの測定地点)がこの域内に収まること」というガイドラインが出されたことで一層注目されるようになりました。

TIRが高いほど低血糖時間・高血糖時間・血糖変動が短小であり、 TIRが1%改善すると、 24時間のうちの1%、 つまり14.4分、

この目標範囲から逸脱する(下回るまたは上回る)時間が減少し、 目標範囲に収まる時間が延びたことを意味します。 なお、 スマートガード™オートモードを用い、

14歳から75歳を対象にした臨床試験ではTime in Range達成率は72.2%でした。 (*5)

従来広く用いられてきた糖尿病の指標であるHbA1cは有用ですが、 HbA1cのみでは日々の血糖コントロールには不十分(*6)であるため、

HbA1cやそのほかの指標と共に糖尿病治療に用いられます。 なお、 この目標範囲を下回った時間をTime Below Range、 上回った場合をTime

Above Rangeと呼びます。

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【メドトロニックについて】

大胆な思考。 より大胆な行動。 私たちはメドトロニックです。 Medtronic plc(本社:アイルランド、 ダブリン)は、

ヘルスケアテクノロジーをグローバルにリードし、 人類が直面している多くの困難な健康課題に積極的に取り組み、 ソリューションを探し、 見つけ出します。

150ヵ国以上にまたがる情熱を持った9万人以上の従業員からなるグローバルなチームを団結させているのは、 「人々の痛みをやわらげ、 健康を回復し、

生命を延ばす」という私たちのミッションです。 私たちは70以上の健康課題を治療する、 心臓ペースメーカ、 手術支援ロボット、 インスリンポンプ、

外科用手術機器、 患者モニタリングシステムなどの多様なテクノロジーと治療法を提供しています。

私たちは、 多様な知識、 飽くなき好奇心、 そしてそれを必要とするすべての人を助けたいという思いを原動力に、 革新的なテクノロジーで、

1秒に2人の人々の生活を、 毎時間、 毎日、 変え続けていきます。 メドトロニックは、 インサイト(洞察)に基づいた治療法の提供、

人を第一に考えたエクスペリエンス、 そして世の中により良いアウトカム(結果)をもたらすことに注力していきます。

私たちは何ごとにもエンジニアのマインドを持って、 想像を超えるものを創り出します。

Webサイト www.medtronic.com

【日本のメドトロニックについて】

日本のメドトロニックは日本メドトロニック株式会社、 メドトロニックソファモアダネック株式会社、 コヴィディエンジャパン株式会社の3法人が、

「人々の痛みをやわらげ、 健康を回復し、 生命を延ばす」というメドトロニックのミッションのもと、 循環器領域、 外科領域と低侵襲治療・診断領域、 神経科学領域、

糖尿病領域の4つの領域で、 身体の70種類以上の疾患に対する治療法、 サービス、 ソリューションを提供しています。

Webサイト www.medtronic.co.jp

なお、 将来の業績見通しに関わるすべての記述は、

メドトロニックが米国証券取引委員会に提出する定期報告書に記載されているようなリスクや不確定要素の影響を受ける場合があります。

実際の業績は予想と異なる可能性があります。

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*1:血糖に対しインスリンが不足し高血糖になると、 口渇感、 多尿、 強い倦怠感などの症状をはじめ、 急激に悪化すると呼吸困難や吐き気、 嘔吐、 腹痛、

意識障害、 昏睡といった糖尿病ケトアシドーシスと呼ばれる糖尿病急性合併症が起こる可能性があります。 一方インスリン過多によって低血糖になると、 冷や汗や動悸、

強い空腹感、 めまい、 手指のふるえといった症状をはじめ、 意識レベルが低下し昏睡にいたる場合もあります。

どちらも実際に起こった場合に身体的負担を感じるだけでなく、 「起こるかもしれない」という不安感は患者さんにとって精神的に大きな負担となり、

QOLを大きく低下させる要因になることがあります。 こうした負担感を軽減するためにも、

インスリンを使用する糖尿病患者さんにとって血糖を適切な範囲に維持することは極めて重要です。

*2:CGMデータ、 インスリン注入状況、 アラート・アラーム通知、 24時間TIRをアプリで閲覧可能となります。

対応機種・対応OSについては弊社ホームページをご参照ください

*3:ミニメド™モバイルアプリ、 ケアリンク™コネクトアプリ

*4:Garg. et al. DIABETES TECHNOLOGY & THERAPEUTICS;19(3)155-163.2017.及びForlenza.

et al. DIABETES TECHNOLOGY & THERAPEUTICS;21(1)11-19.2019.

*5:Bergenstal RM, et al. JAMA. 2016;316(13):1407-1408.及びGarg SK, et al. Diabetes

Technol Ther. 2017;19(3):155-163.

*6:Battelino, et al . Diabetes Care 2019 Aug; 42(8): 1593-1603.

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