耐性化が深刻な犬猫の感染症へ、新しい感染症治療法であるファージセラピーを実用化するための研究の費用を集めるクラウドファンディングを開始します!

現在も薬剤耐性菌が多い犬猫の感染症は将来、 さらに耐性化が進み治らなくなるとなるといわれています。 新しい感染症治療法であるファージセラピーを、

それらに対して実用化する研究について、 医療法人社団予防会(代表:下村正美 本社所在地:東京都新宿区北新宿一丁目13番地19号)は、

早稲田大学・ハナ動物病院と共に取り組んでいます。 2022年4月25日より、 この研究の資金を集めるクラウドファンディングを行います。 医療法人社団予防会は、

現在、 性感染症検査・治療を中心に行っています。 予防会グループの1つである新宿サテライトクリニックの院長を務める北岡は、 早稲田大学と協同して、

新しい感染症治療法の研究開発にも取り組んでいます。

* ファージセラピーについて

現在注力しているのが、 バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を使用したファージセラピーという治療法の実用化です。 ファージセラピーとは、

バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を用い、 感染症を引き起こしている細菌を死滅させて、 感染症を治癒する治療法です。 実は、

1920年代に実際に使用されていましたが、 抗生物質の隆盛により、 廃れていました。 昨今の薬剤耐性菌の増加に伴い見直され、

海外では応用されている国もあります。 しかし、 海外で使用されている製剤は効果十分とは言えず、 また、 日本では、 臨床試験すら行われていない状態です。

理由の1つとしては、 ファージセラピーの研究が、 理工学的な研究が中心であり、 臨床現場のイメージがなく、 実用性が不十分であったということが挙げられます。

そこで、感染症の現場を知る医師が研究に取り組むことによって、 十分な効果を持ち、 実用性のある形でファージセラピーを提供できるようにしようとしています。

例えば、 北岡は今まで感染症流行株の調査に取り組んできたので、 実際に感染症現場で流行している株に対応するファージを準備するといった工夫を行い研究しています。

* 犬猫の感染症について

様々な検討を重ね、映画「犬部!」のモデルとなったハナ動物病院の太田先生(

https://www.hana-ah.com/)のご協力を得て、 まずは、 犬猫の感染症に対するファージセラピーの実用化を目指すことにしました。

犬猫の感染症の原因菌の薬剤耐性化の速度は著しく、 例えば、

犬の感染症の主要な病原菌であるスタフィロコッカス・シュードインターメディウスという細菌の危険な耐性菌(MRSP)は、

スタフィロコッカス・シュードインターメディウスの中で67%を占めると報告されています( M, Nishifuji K, Iwasaki T, Fukata T.

Antimicrobial susceptibility and methicillin resistance in Staphylococcus

pseudintermedius and Staphylococcus schleiferi subsp. coagulans isolated from

dogs with pyoderma in Japan. J Vet Med Sci. 2010 Dec;72(12):1615-9.)。

太田先生の実際の診療現場でも、 動物病院で使用できる抗生物質が何も効かず、 治癒しない感染症があるということです。

膿皮症と呼ばれる皮膚の感染症で遭遇することが多く、 その場合、 犬は痒みが止まらず、 夜も十分に寝られず、

一日中しょんぼりしているという非常に可哀想な状態になるということでした。 このままでは、 そのような状況が多発するようになると言われており、

そんな未来を防ぐために、 ファージセラピーを応用しようとしています。

* ファージセラピーの未来

犬猫に限らず、 ヒトを含め動物全体の感染症で薬剤耐性菌は深刻であり、

2050年には耐性菌による感染症の死亡が世界第一位の死因となると予想されています(O’Neill, J. Tackling Drug-Resistant

Infections Globally: Final Report and Recommendations. 2016)。 性感染症においても、 例えば、

淋菌に対する第一選択薬のセフトリアキソンの耐性菌が増加し、 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)から、

セフトリアキソン単独療法は推奨しないと発表されるに至っています(日本と欧米では用量が異なるため、 日本の用量では現在でも単独療法が可能と言われてはいます)(

St Cyr S, Barbee L, Workowski KA, Bachmann LH, Pham C, Schlanger K, Torrone E,

Weinstock H, Kersh EN, Thorpe P. Update to CDC’s Treatment Guidelines for

Gonococcal Infection, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020 Dec

18;69(50):1911-1916.)。 このファージセラピーの実現をきっかけとして、

ヒトを含めた動物の他の様々な細菌感染症へファージセラピーを実現できれば、 将来感染症に多くのヒト・動物が苦しめられるようになる未来を変えることができます。

* クラウドファンディングご支援のお願い

ファージセラピーはすでに海外では研究が進んでおり、 このままではファージ製品もコロナワクチンのように海外製に頼ることになってしまいます。

なんとか日本発のファージセラピー製品を実現し、 科学技術立国としての姿を少しでも取り戻すことに寄与したいと思います。 しかし、

こういった新しい薬剤の実用化研究には国などからの研究費が充てられづらく、 現時点の予防会だけの資金力で研究を進めることが困難となりました。 そこで、

クラウドファンディングを行うことにしました。 ご協力よろしくお願いします。

* クラウドファンディング概要

クラウドファンディング名:感染症に苦しむ犬猫たちを救うために、 感染症治療法の研究を

クラウドファンディングURL:

https://readyfor.jp/projects/yoboukai2022

目的:耐性化が深刻な犬猫の感染症へ、 新しい感染症治療法であるファージセラピーを、 実用化する研究を行っています。 不足している研究費を獲得するために、

クラウドファンディングを開始します。

目標金額:150万

期間:2022年4月25日10時-6月17日23時

使途:犬猫の感染症へのファージセラピー研究を進めます。 実用化に最適なファージの探索を行い、 論文化まで行います。 さらに資金が獲得できれば、

ファージを実際に実用するために必要な性質の確認(安定性試験など)を行います。

SNS:

https://twitter.com/kazukimizukiros

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https://www.instagram.com/kitaokakazuki/

動画:

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