全旅連青年部が自民党の国会議員に対し「観光産業に対する継続的な支援要望」を提出

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(星永重 青年部長・略称:全旅連青年部)が自由民主党衆参両院の国会議員に対し、 宿泊業4団体・旅行業2団体を代表し、

同6団体連盟による支援要望を提出した。

全旅連青年部はこれまでにも観光産業の回復を目指した同様の要望活動を展開してきたが、 政府による『経済財政運営と改革の基本方針』『成長戦略』の策定を目前に、

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介 会長)、全日本ホテル連盟(清水嗣能 会長)、日本旅館協会(浜野浩二 会長)、日本ホテル協会(森浩生 会長)、

日本旅行業協会(高橋広行 会長)、全国旅行業協会(二階俊博 会長)の6団体連盟による観光地・観光サービスの高付加価値化推進事業の制度拡充、 Go To

トラベルの早期再開と期間延長・予算拡充などに関する継続的な支援要望を提出した。

新型コロナウイルスとの闘いが二年以上続き、 観光産業が厳しい局面の置かれる中、 まん延防止等重点措置の解除後、

政府からは「地域観光事業支援」いわゆる県民割やブロック割などの観光刺激策が講じられてきた。 しかし、 宿泊業を観光地の飲食店や土産物屋などを含めた

観光産業は依然危機的状況におかれている。

観光産業は地域経済の「核」とも言える産業であり、 地域の雇用を支えているだけでなく、 地場の食材や特産品を利用客に提供することから、 域内消費率が圧倒的に高く、

他業種と比べて地域経済に与える影響は非常に大きい。 その役割は地域にとっても代替不可能な存在であることがコロナ禍で明確に再認識された。 事実、

利用客の減少による宿泊施設の食材仕入れ減少やリネン発注数の減少は、 全国的な規模で卸売り業者、 関連飲食店、 クリーニング店などの廃業をもたらした。

多くの宿泊施設が自らの倒産が地域経済に与えてしまう影響を強く認識しており、休業等による事業停止に伴う損失補填のため新規借入を繰り返しながら耐え忍んできた。

全旅連青年部が昨年10月に全国の宿泊施設を対象に行った調査によると、 コロナ禍での新規借入だけでも平均債務償還年数は17.5年という統計が出ており、

コロナ以前の売上に戻ったとしても、この期間の利益は全て債務返済に充てなければならないという危機的状況にある。

このような状況を受け、 今回、 全旅連青年部が観光業界6団体連盟による支援要望を自民党衆参両院の議員に対し「宿泊産業がコロナ禍を乗り越え、

日本経済復興と観光立国の実現に向け、 先導役を担う。 」という決意と共に強い思いを届けた。

【 要望内容 】

1.地域一体となった観光地再生・観光サービスの高付加価値化補助金の制度拡充

宿泊施設は取引先が多く、 域内消費率が他の産業に比べて圧倒的に高い性質があり、 消費者が宿泊を伴う場合と宿泊を伴わない場合とでは、

地域で消費する消費額は3倍以上も開きが出るとされている。

ポストコロナに向けた地域一体となった観光地再生・観光サービスの高付加価値化補助金は、 地域を面的に高付加価値化させ、

その効果を広く外部に裨益させることを目的としており、 日本が真の観光立国実現を目指すために必要不可欠な補助制度であることからも、

毎年度の継続的な補助制度として予算化することをお願いしたい。 併せて、

宿泊施設の改修・廃屋撤去への補助上限を少なくとも5億円以上に大幅に引き上げて頂くとともに、

宿泊施設をはじめとする運輸・観光関連事業者を含めた地域ぐるみでDX等への投資も対象としていただくことをお願いしたい。

また、 日本は世界の国々と比べても四季折々の移ろいが美しく、 そこに根差した文化宿泊体験など多くの魅力あふれるコンテンツが各地に数多く点在している。

日本列島の特色ある地理風土によって、 各地の観光地の繁忙期が異なることからも、 予算の執行については柔軟に行えるように、単年度事業ではなく、

5年間の基金化をし、 複数年度事業が可能な制度とすることをお願いしたい。

特に高付加価値化事業については、 2022年の『経済財政運営と改革の基本方針』(骨太の方針)や『成長戦略』に記載して頂くように、 お願いをしたい。

2.GoToトラベルキャンペーンの早期再開と期間延長、 予算の拡充について

1. GoToトラベルキャンペーンの早期再開と期間延長をお願いしたい。

2. GoToトラベルキャンペーンの為に確保されていた、令和4年3月31日に失効された4,600億円については、 早期に同程度額以上の予算措置

を講じていただきたい。

3. 全国知事会が3月23日に示した「まん延防止等重点措置の解除を受けた緊急提言」について、 特に、 新たなGoToトラベル事業については、

割引率を高く設定するなど、 観光需要を十分に喚起できるよう効果的な支援制度とするとともに事業者の受け入れ態勢がいち早く取れるように、

制度の詳細について早期に明示されたい。

3.観光目的による国際往来の早期再開

欧米諸国やアジアの国々では続々と水際対策の大幅緩和に舵を切っており、 観光での入国を認めていない国は、 いまや日本、 中国など極めて少数派となっている。

現時点では、 日本はコロナ後に訪れてみたい国の第1位という調査結果もあるものの、 このまま日本が厳しい対策を続ければ、

既に始まっている世界的な誘客競争に負けてしまうどころか、 やがては世界に必要とされない「観光孤立国」となりかねないという強い危機感がある。

世界の旅行会社からは、 日本や中国が観光で入国できないのであれば、 アジア方面の旅行は当面タイ、 シンガポール、

ベトナムなどの東南アジアを中心に販売促進を強化することになるだろうとの声が聞かれており、 それが定着してしまってからでは取り戻すためにまた数年を要すこととなる。

まさに今このタイミングで水際措置を大幅に緩和いただくことこそが、

コロナで痛んだ地域経済はもとより観光産業のV字回復にとって重要なポイントとなるものと考えている。

ついては、早期に入国者数の上限撤廃と観光目的による入国の許可を実現していただきたい。

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