飲酒や喫煙,ギャンブル依存…やめられないその<やり方>を変える!好評の『代替行動の臨床実践ガイド』第3刷重版出来!

ただ我慢して耐えるのではなく,「代替行動(望ましい行動)」を増やす!

夜更かしやギャンブル,リストカットや薬物,性の問題,さらには家族の問題など具体的事例におけるリアルな取り組みと工夫とは。

心理学書を中心に教育学や社会科学の専門図書を発行する株式会社北大路書房(所在地:京都市北区)は、

臨床心理学の最新書『代替行動の臨床実践ガイド:「ついやってしまう」「やめられない」の〈やり方〉を変えるカウンセリング』を2022年06月08日(水)に発売,07月27日(水)に第3刷重版致しました。

『代替行動』書影

『代替行動』書影

* やめたいのにやめられない悩みに,積極的支援としての代替行動

やめようと思いつつもついまたやってしまう,といったことは程度の差はあれ誰でも思い当たる節があるのではないでしょうか。

昨今の社会情勢のひっ迫感や日々のストレスなどから,夜更かしやスマホ,ゲームや飲酒,タバコ,薬物やリストカット,風俗通い等々を「やめたいのにやめられない」ことで苦しんでいる方々も少なくないことでしょう。

「もうこれっきりにしないとな…」とか,「これでやめだ!」と決めてもやめられないのは意志が弱いからではなく,その行為によって得られるものが生活の中でなにかの機能を果たしているため,容易にやめることができない現実が多くあります。

本書のテーマである代替行動のアプローチは,

「やめたいのにやめられない」行動の代わりとなる望ましい行動を増やす,クライエントの方にとって受け入れやすいポジティブな支援である

と述べられています(p.iv,v:少し長い「はじめに」より)。

すこし長い「はじめに」より

すこし長い「はじめに」より

本書は依存的に繰り返してしまう夜更かしやスマホなど日常の行動から,飲酒や喫煙,性的な嗜癖行動,薬物,リストカットなどの自傷行為,さらには

家族内で生じる子どもの問題行動やゲーム依存などそれぞれ特異な問題に対するセラピストのアイデアや工夫を紹介しています。

心理職や医療,介護関係のセラピストをはじめ,依存的な行動で悩む方やその身近にいる方など,「やめられない」悩みに対する現場のリアルな実践を垣間見ることができる内容となっています。

* 問題へとつながる「行動の連鎖」を探る

本書において代替行動とは,

●問題行動を減らすために身につけさせる新たな行動(行動療法的アプローチ)

●同じ目的(機能と呼びます)が期待できる、 より受け入れられやすい行動(行動分析学的アプローチ)

の二つの意味で用いられています(p.iv)。

いずれの意味においても,問題の行動の代わりに望ましい行動を取り入れるためには,クライエントが自身の疾病について理解する(心理教育)他に,行動の連鎖

を詳しく分析することが重要とされています(第5章:飲酒より)。

例えば,アルコール依存症の治療を終えた40歳男性Eさんは,治療の練習通りに職場の飲み会を断ることができました。

しかし,回避したかと思いきやそのあとに飲み会の同僚や料理のことを想像してしまい,気分が暗くなってしまいました。

そして参加できなかった悔しさが溢れると同時にのどが締め付けられる感覚やその日の暑さもあり,結果的にコンビニでお酒を買って飲んでしまいました。

飲酒への行動の連鎖(p.84より)

飲酒への行動の連鎖(p.84より)

上の図はEさんは結果的にお酒を買い飲んでしまったEさんの行動の連鎖と,その対処の例をまとめたものです。

ただ「飲酒を我慢する」のではなく,行動の連鎖に気づくことでより強力な対処法が習得できると述べています(p.84)。

問題行動を減らすために,何がその人にとっての代替行動となるかを知り,とともに疾病を理解していくことが重要となり,そのためにどのようなコミュニケーションをすればよいかといった細かな点も解説されています。

* 常識や偏見にとらわれないアプローチ

飲酒以外にも,性的な問題行動やリストカット,薬物など様々な依存的行為に悩むクライアントに対して,社会通念や偏見にとらわれないアプローチが必要であると述べられています(p.124,第7章:性的な問題行動

より)。

例えば,痴漢行為をしてしまったクライアントに「反省」を促し,はじめはブレーキとなっていたとしても,反省は時間とともに薄れ,ブレーキとなるはずの代替行動の獲得を阻害し結果として再発しやすくなることがあります。

また,リストカット事例においても自殺のリスクがあるからといってケアをしようと過剰に反応してしまうと,かえってそれがリストカットを増やしてしまう可能性があり,適度な距離感が求められます(p.131-133,第8章:自傷行為(リストカット)より)。

クライアントに作用をもたらす環境の一つとして,セラピストがともに変化していくためにも,常識や偏見にとらわれないコミュニケーションが重要となり,その過程で大いに役立つ一冊となっています。

* 【イベント告知】登録者1万人越えの心理学予備校講師宮川先生のYoutubeチャンネル「ミヤガワRADIO」で本書編者の横光先生らを交えたトークLive

8月6日(土)21時30分から!

河合塾KALS講師で心理系大学院受験対策講座を担当している宮川純先生のYoutubeチャンネルにて,本書を深掘りした話や,本書に関わる裏話などのトークライブが予定されています!

本書を含めた視聴者プレゼントも実施される予定です。 ぜひご覧ください。

【トークライブ】代替行動の臨床実践ガイド(ゲスト:横光先生・竹林先生)

ミヤガワRADIO 2022/08/06 21:30開始予定!

https://www.youtube.com/watch?v=PGl_T8foyp4

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* 【目次】

■ 本書の主な目次

第I部 ふだんの生活

第1章 夜更かし

第2章 気分の波

第3章 回避行動/抗不安行動

第II部 嗜癖行動・自傷行為

第4章 ギャンブル行動――刺激を遠ざけ、 感情を豊かにしていく

第5章 飲酒――万能薬に代わる行動を習得する

第6章 喫煙――「一人で我慢」を手放すことから始める

第7章 性的な問題行動――対人関係・犯罪(痴漢)

第8章 自傷行為(リストカット)

第III部 家族間のやりとり

第9章 育児におけるパートナーや家族との対話

第10章 物質使用によって生じる問題への家族の対処行動

第11章 中高生のゲーム問題に対する家族のコミュニケーション

第12章 子どもの困った行動への対応

第13章 精神疾患患者を抱える家族の間に起こるコミュニケーション不全 * 編者,著者

■ 編者紹介

横光健吾(よこみつ・けんご)

2014年 北海道医療大学心理科学研究科博士後期課程修了 博士(臨床心理学)

現在 人間環境大学総合心理学部 講師

《主著》

ギャンブル依存のための認知行動療法ワークブック(共訳) 金剛出版 2015年

遠隔心理支援スキルガイド―どこへでもつながる援助―(共著) 誠信書房 2020年

こころの健康教育ハンドブック―こころもからだも健康な生活を送るために―(共著) 金剛出版 2021年

入江智也(いりえ・ともなり)

2020年 北海道医療大学心理科学研究科博士後期課程修了 博士(臨床心理学)

現在 北翔大学教育文化学部 准教授

《主著》

アディクションサイエンス―依存・嗜癖の科学―(共著) 朝倉書店 2019年

ACT における価値とは―クライエントの価値に基づく行動を支援するためのセラピストガイド―(共訳) 星和書店 2020年

田中恒彦(たなか・つねひこ)

2012 年 徳島大学大学院医科学教育部医学専攻(精神医学分野)単位取得満期退学

現在 新潟大学人文社会科学系教育学系列 准教授

《主著》

公認心理師養成のための保健・医療系実習ガイドブック(編著) 北大路書房 2018年

なるほど! 心理学面接法(共著) 北大路書房 2019年

■執筆者一覧(執筆順)

横光健吾 (編者) はじめに(共著),4章

田中恒彦 (編者) はじめに(共著),13章(共著)

中島 俊 (国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター) 1章(共著)

宮崎友里 (国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター) 1章(共著)

高階光梨 (国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター) 1章(共著)

甲田宗良 (徳島大学大学院社会産業理工学研究部) 2章

中村 亨 (医療法人社団 五稜会病院 札幌CBT&EAPセンター) 3章

村瀬華子 (北里大学医療衛生学部・医療系研究科) 5章

瀬在 泉 (防衛医科大学校医学教育部) 6章

野村和孝 (北里大学医療衛生学部) 7章

谷口敏淳 (一般社団法人 Psychoro) 8章

牧野みゆき(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター) 9章

辻 由依 (札幌学院大学学生相談室) 10章

入江智也 (編者) 11章,おわりに

上河邉 力(カウンセリング&コンサルティングオフィスふぉるつぁ)12章

姜 静愛 (新潟大学大学院) 13章(共著) * 書誌情報

帯無し書影

帯無し書影

【書名】代替行動の臨床実践ガイド:「ついやってしまう」「やめられない」の〈やり方〉を変えるカウンセリング

【定 価】3,080円(本体2,800円+税10%)

【判 型】A5判 272頁

【出版社】株式会社北大路書房

【発売日】2022年06月08日

【コード】ISBN:978-4-7628-3191-1 ,C3011

【概要】夜更かし,ゲーム,ギャンブル,飲酒,喫煙,風俗通い,薬物,リストカット,家族間のコミュニケーション不全……。

問題行動を減らし「望ましい行動」を増やすためにどうすればよいのか。

クライエントを取り巻く状況やその悩みの特異性に応じて,試行錯誤してきた経験豊富な支援者たちのノウハウを惜しみなく公開。

【リンク】

https://www.kitaohji.com/book/b606156.html

【Amazonでのご購入はこちらから】

https://www.amazon.co.jp/dp/4762831913/

株式会社北大路書房

https://www.kitaohji.com/

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