全旅連青年部が自民党の国会議員約400名に対し「観光産業に対する継続的な支援要望」を提出

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(星永重 青年部長・略称:全旅連青年部)に所属する、 宿の若手経営者130名が東京の議員会館に集結し、

コロナ禍における地域経済の現状、 窮状を自由民主党衆参両院の国会議員に対し、 宿泊業4団体【全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介

会長)・日本旅館協会(大西雅之 会長)・日本ホテル協会(森浩生 会長)・全日本ホテル連盟(清水嗣能 会長)】・旅行業2団体【日本旅行業協会(高橋広行

会長)・全国旅行業協会(二階俊博 会長)】を代表し、 同6団体連盟による支援要望を提出した。

コロナとの闘いが3年目に突入し、 現在も第7波といわれる感染拡大の状況が続く中、 旅行が感染拡大の原因であるかのような、

科学的根拠がない思い込みが未だに払拭されておらず、 宿泊業界及び旅行業界は未曾有の危機に陥っている。

本来、 我が国の観光産業が持つ経済的インパクトは、 波及効果が大きい総合的な経済活動であり、 観光産業のみならず幅広い分野の各層に経済効果をもたらしている。

その中で宿泊産業は地域経済の「核」ともいえる産業であり、 地域の雇用維持や、 地場の食材・特産品の使用等、 域内消費率が非常に高く、

地域経済への波及効果は他業種に比べて高くなっており、 コロナ以前(2019 年(令和元年)の日本人国内旅行消費額は、 21.9兆円、 訪日外国人旅行者による日本

国内における消費額は、 4.8兆円であり、 その経済波及効果は55.8兆円にも達している。

多くの宿泊施設が自らの倒産が地域経済に与えてしまう影響を強く認識しており、 休業等による事業停止に伴う損失補填のため新規借入を繰り返しながら耐え忍んできた。

昨年、 全旅連青年部が全国の宿泊施設を対象に行った調査によると、 コロナ禍での新規借入だけでも平均債務償還年数は17.5年という統計が出ており、

コロナ以前の売上に戻ったとしても、 この期間の利益は全て債務返済に充てなければならないという危機的状況にある。

このような状況を受け、 今回、 全旅連青年部が観光業界6団体連盟による支援要望を自民党衆参両院の議員に対し「宿泊産業がコロナ禍を乗り越え、

日本経済復興と観光立国の実現に向け、 先導役を担う。 」という決意と共に強い思いを届けた。

【要望内容】

1. 全国旅行支援の早期開始と息の長い実施、 予算の拡充について

1.全国旅行支援の早期開始と息の長い実施をお願いしたい。

2.全国旅行支援の実施に当たっては、 事故により風評被害が続く知床地域や本年 3 月に発生した福島県沖地震や 8 月 3

日からの大雨による影響を受けた地域など、 外的な影響を受け観光需要の回復が見込めない地域においては、 補助率の上乗せを行うようにお願いしたい。

3.GoTo トラベルキャンペーンの為に確保されていた、 令和 4 年 3 月 31 日に失効された 4,600 億円については、

早期に同程度額以上の予算措置を講じて早期に再開いただきたい。

4.令和 3 年度補正予算で計上されている「新たな GoTo トラベル事業」の予算 2685 億円については、 令和5年度も事業が継続して実施できるように、

予算の繰り越し、 若しくは、 地方自治体の裁量で活用できる予算に振り替えて頂くことについて早急に決定をお願いしたい。

5.全国旅行支援のクーポン配布場所が宿泊施設になることから、 旅行代理店経由での利用者における配布の代行を行う形になる為、

宿泊施設における負担が多大となることが懸念されています。 宿泊施設にて 旅行会社経由での利用者における地域クーポン配布を行っている状況も踏まえ、

宿泊施設に対し一定の 配慮がなされるよう都道府県への働きかけをお願いしたい。

2. 観光目的による国際往来の早期再開

欧米諸国やアジアの国々では続々と水際対策の大幅緩和に舵を切っており、 観光での入国に大幅な制限を 設けている国は、 いまや日本、

中国など極めて少数派となっている。 現時点では、 日本はコロナ後に訪れて みたい国の第1位という調査結果もあるものの、 このまま日本が厳しい対策を続ければ、

既に始まっている 世界的な誘客競争に負けてしまうどころか、 やがては世界に必要とされない「観光孤立国」となりかねない という強い危機感がある。

世界の旅行会社からは、 日本や中国が観光で入国できないのであれば、 アジア方面の旅行は当面タイ、 シ ンガポール、

ベトナムなどの東南アジアを中心に販売促進を強化することになるだろうとの声が聞かれてお り、

それが定着してしまってからでは取り戻すためにまた数年を要すこととなる。 まさに今このタイミング で水際措置を大幅に緩和いただくことこそが、

コロナで痛んだ地域経済はもとより観光産業のV字回復にと って重要なポイントとなるものと考えている。 ついは、

早期に入国者数の上限撤廃と個人旅行の受入・ビザ免除の再開など、 観光目的による入国の更なる緩和を実現していただきたい。

3. 地域一体となった観光地再生・観光サービスの高付加価値化補助金の制度拡充

宿泊施設は取引先が多く、 域内消費率が他の産業に比べて圧倒的に高い性質があり、 消費者が宿泊を伴う 場合と宿泊を伴わない場合とでは、 地域で消費する消費額は 3

倍以上も開きが出るとされている。 ポストコロナに向けた地域一体となった観光地再生・観光サービスの高付加価値化補助金は、 地域を面的 に高付加価値化させ、

その効果を広く外部に裨益させることを目的としており、 日本が真の観光立国実現を 目指すために必要不可欠な補助制度であることからも、 この度、 2022

年の『経済財政運営と改革の基本方 針』(骨太の方針)や『成長戦略』に記載のある通り、 計画的・継続的な事業が実施できる補助制度として

予算化をすることお願いしたい。 併せて、 宿泊施設の改修・廃屋撤去への補助上限を少なくとも 5 億円以上 に大幅に引き上げて頂くとともに、

宿泊施設をはじめとする運輸・観光関連事業者を含めた地域ぐるみでの DX への投資、 災害・バリアフリーへの対応も、 補助対象としていただくことをお願いしたい。

さらに、 現在、 補助上限 500 万円となっている観光施設改修について、 地域全体の魅力度を高めるため、 補助上限額 を 2000

万以上への引き上げをお願いしたい。

また、 日本は世界の国々と比べても四季折々の移ろいが美しく、 そこに根差した文化宿泊体験など多くの 魅力あふれるコンテンツが各地に数多く点在している。

日本列島の特色ある地理風土によって、 各地の観光 地の繁忙期が異なることからも、 予算の執行については柔軟に行えるように、 単年度事業ではなく、 少なく とも

5 年間の基金化をし、 複数年度事業が可能な制度とするとともに、 予算規模も大幅に拡充することをお 願いしたい。

4. 更なる金融支援について

1. 11 月末までとなっている雇用調整助成金特別措置を需要が回復するまでの間、 延長をお願いしたい。

2. 9 月末までとなっている政府系金融機関によるコロナ特別貸付制度(無利子無担保融資)の期間延長をお願いしたい。

3. 既に無利子無担保融資の返済が開始しているケースも多いが、 柔軟なリスケ対応をお願いしたい。

4. 現在、 2 億 8 千万円に設定されている信用保証協会による信用保証枠を拡大して頂きたい。

5. コロナ特別貸付制度の資本制劣後ローンや優先株引受について、 受付期間の延長を含めた柔軟な対応や、 金利等条件のさらなる改善をお願いしたい。 また、

メインバンクによる協調融資を求められるケースも 多いが、 その点の柔軟な対応をお願いしたい。

5. 原油価格・物価高騰等総合緊急対策の更なる支援等について

原油価格・物価高騰等総合緊急対策事業は、 原油価格・物価高騰に苦しむ宿泊・旅行業界にとっては、 大変あ りがたく、

特に環境に配慮した持続可能な周遊観光促進事業の中には、 応募が殺到し、 公募の締め切りを早めた 事業もある。

未だ原油価格・物価が高止まりしている状況にあるため、 引き続きの支援をお願いしたい。

また、 個別の宿泊施設のデジタル化や IT 化、 バリアフリー化等の前向き投資に対する補助金の拡充をお願い したい。

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