第13回山田風太郎賞 小川哲著『地図と拳』に決定!

株式会社KADOKAWA(代表取締役社長:夏野 剛)が主催する文学賞『山田風太郎賞』の選考会が、 2022年10月21日(金)午後1時より東京會館

(東京都千代田区丸の内3-2-1)にて行われ、 選考委員の審査により、 小川哲著『地図と拳』(集英社)が受賞作に決定しました。

【山田風太郎賞 公式サイト】

【第13回山田風太郎賞】

小川 哲『地図と拳』(集英社 2022年6月)

【選考委員】

朝井まかて、 恩田陸、 貴志祐介、 筒井康隆、 夢枕獏(敬称略・五十音順)

第13回山田風太郎賞の選考会及び記者会見は、 新型コロナウイルス感染症の情勢を考慮し、 会見場への参加、 テレビ会議システム「Zoom」での参加、

双方に対応した形式にて実施しました。

代表して選評を述べた朝井まかて氏は、 「満場一致で決まりました。 選考委員が刺激を受けた・面白いと感じた所がそれぞれ異なっていたのも特徴的でした。」「

壮大なる歴史小説、 戦争文学として、 非常に高度な成果を得た作品。 日露戦争前夜から第二次世界大戦までの複雑な時代を舞台に、

戦争の力学と人間を描き出していました。」と話しました。

この日の記者会見で小川氏は、 「非常に光栄です。 <山田風太郎>の名前を冠した賞をいただくという事は、 小説を書く者として襟を正さねばという思いになります。」「

読んでくださる方になるべく密度濃く、 なるべく楽しんでもらえるように、 頭をフルに使って汗をかいて書いていきたい。

」と感謝の言葉ともに今後の執筆活動への意欲を語りました。

小川氏には、 正賞として記念品(名入り万年筆)と副賞 100万円が贈られます。

また、 本賞の贈賞式および祝賀会は、 新型コロナウイルス感染拡大の状況を考慮し、 11月25日(金)に都内にて関係者のみで規模を縮小しておこなう予定です。

なお、 選評は『小説 野性時代 特別編集22年冬号』に掲載予定です。

(『山田風太郎賞』公式HP https://awards.kadobun.jp/yamadafutaro/

https://awards.kadobun.jp/yamadafutaro/

【小川哲著『地図と拳』あらすじ】

「君は満洲という白紙の地図に、 夢を書きこむ」

日本からの密偵に帯同し、 通訳として満洲に渡った細川。 ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。 叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。

地図に描かれた存在しない島を探し、 海を渡った須野……。 奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。 「燃える土」をめぐり、 殺戮の半世紀を生きる。

ひとつの都市が現われ、 そして消えた。

日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、 満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。 日本SF界の新星が放つ、 歴史×空想小説。

(集英社 書誌ページより

https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-771801-0

【著者略歴】 小川哲(おがわ さとし)

1986年千葉県生まれ。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。

2015年に『ユートロニカのこちら側』が第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。 18年に『ゲームの王国』が第38回日本SF大賞受賞、

第39回吉川英治文学新人賞候補、 第31回山本周五郎賞受賞。 19年に『嘘と正典』が第162回直木三十五賞候補。 ほかの著作に『君のクイズ』など。

【山田風太郎賞】

「山田風太郎賞」は戦後日本を代表する大衆小説家、 故山田風太郎氏の独創的な作品群と、 大衆性、 ノンジャンル性、

反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、 有望な作家の作品を発掘顕彰するために創設しました。

毎年9月1日から翌年8月31日までに刊行された長編および短編の文芸作品(ミステリ、 時代、

SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと思われる作品に贈ります。 新人、 新進、 中堅作家の作品が対象となります。

【第13回山田風太郎賞 最終候補作品】※敬称略・著者五十音順

浅倉 秋成『俺ではない炎上』(双葉社 2022年5月)

小川 哲『地図と拳』(集英社 2022年6月)

砂原浩太朗『黛家の兄弟』(講談社 2022年1月)

蝉谷めぐ実『おんなの女房』(KADOKAWA 2022年1月)

早見 和真『八月の母』(KADOKAWA 2022年4月)

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