震災から10年――。未曽有の現場を支える、誇り高き人々の記録!『廃炉「敗北の現場」で働く誇り』本日発売!!

「働く」とは、「仕事」とは何か……最先端の技術と使命感を胸に、逆境の中、しんがりを務める人々の想いを紡ぐ。 東京電力福島第一原発では、

40年かかるとされる廃炉作業が今日も続けられている。 高放射線量の下、 数多の困難を乗り越える技術者。 彼らを支えるバックヤードの人々。

福島を離れまいと異動を拒む官僚。 「加害者」になることを厭わず、 東電に入社した社員たち……「廃炉」に立ち向かう彼らの姿を描く。

東日本大震災から10年という節目を目前にした2021年2月13日、 マグニチュード7・3の地震が福島県沖で発生しました。

震災の様々な記憶が思い起こされる中、 福島第一原発では今日も廃炉作業が進められています。 著者は東京電力や協力企業など、 多くの関係者に取材を進めてきました。

その中で、 ある技術者が3・11の地震後に初めて福島第一原発に入った時、 「敗北感」を抱いたという言葉が、 心に深く刻まれたといいます。

彼らが働いている場所を、 科学技術の「敗北の現場」と呼ぶのであれば、 そこで作業に従事する彼らはどのようなモチベーションで働いているのか。

そしてその胸中に去来するものは何か――取材で浮かんできたのは、 誇りと使命感に満ち溢れた技術者や企業関係者、 官僚たちのたくましい姿です。

廃炉への道はまだ先が長いものの、 その前途には光明が見えてきていることがお分かりいただける一冊です。

稲泉連著『廃炉 「敗北の現場」で働く誇り』新潮社刊

稲泉連著『廃炉 「敗北の現場」で働く誇り』新潮社刊

目次

プロローグ

第一章 福島に留まり続けるある官僚の決意

第二章 四号機を覆え

第三章 イチエフのバックヤードで働く人々

第四章 高線量瓦礫は夜運ばれる

第五章 廃炉創造ロボコンの若者たち

第六章 東芝の二人

第七章 事故後入社の東電社員たち

エピローグ

あとがき

著者/稲泉連(いないずみ・れん)

1979(昭和54)年、 東京生れ。 早稲田大学第二文学部卒。 在学中の1998(平成10)年『僕の高校中退マニュアル』で単行本デビュー。

2005年『ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死―』で第36回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。 他の著書に『僕らが働く理由、 働かない理由、

働けない理由』『仕事漂流―就職氷河期世代の「働き方」―』『復興の書店』『ドキュメント豪雨災害―そのとき人は何を見るか―』がある。

『廃炉 「敗北の現場」で働く誇り』

【著者名】稲泉連

【発売日】2月17日

【造本】ハードカバー

【本体定価】1600円(税別)

【ISBN】978-4-10-332092-0