災の有無で差がある防災対策 withコロナ時代の新たな災害への備え ~花王 生活者研究部「くらしの研究」にて、3月9日公開~

東日本大震災から10年たった現在、 震災を経験した生活者の防災対策はどうなっているでしょうか。 花王株式会社「生活者研究部」(※1)では、 2020年12月に、

地震の被害を受けた岩手・宮城・福島の東北3県と、 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)を対象に調査を実施。 コロナ禍での災害・避難について、

多くの不安を抱えていることがわかりました。 いま私たちはどのように備えるべきか、

特定非営利活動法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」監修の実践的なアドバイスも交えて、 紹介します。

【主な調査結果とポイント】

●東日本大震災の経験が防災対策に影響

●被災経験者が日頃から心がけている災害のための備え

●コロナ流行下で災害が起きたら…生活者の不安の声

●コロナ禍における避難の考え方[JVOAD監修]-避難の際の手引きと準備しておきたい物

【調査概要】

◎2020年12月/インターネット調査/東北3県(岩手、 宮城、 福島)在住25~74歳男女/400人、 首都圏(東京、 神奈川、 埼玉、

千葉)在住25~74歳男女/400人

●東日本大震災の経験が防災対策に影響

「東日本大震災以降、 防災の意識が高まったか」については、 東日本大震災の被災経験がある人で77%、 被災経験のない人でも66%が、 「そう思う」、

「ややそう思う」と回答していました。 被災の有無にかかわらず、 いずれも防災意識は高いですが、 被災した人の方が数値が高く、

東日本大震災の経験が防災意識に影響を与えていると考えられます。

また、 被災経験の有無にかかわらず、 多くの人が家庭で何らかの防災対策をおこなっていました。

具体的な対策としては、 「飲料水の備蓄」、 「非常用食品の備蓄」、 「トイレットペーパーや常備薬など生活用品の準備」などの家庭内ストックや、

「家具などの転倒防止」、 「ハザードマップの確認」、 「非常持ち出し袋の準備」、 「簡易トイレ・携帯ラジオなど防災用品の準備」などがあがりました。

いずれの対策においても被災した人の方が実施率は高く、 東日本大震災での被災経験の有無で差のある結果となりました。

●被災経験者が日頃から心がけている災害のための備え

東日本大震災をきっかけに防災で意識するようになったこと、 今でも継続しておこなっていることには以下のような声があり、 家の中での準備や、

避難を想定した「事前に備える」行動をとっている人が現在も多数いることがわかりました。

●コロナ流行下で災害が起きてしまったら…生活者の不安の声

「コロナ禍でもし災害が起こった場合、 どんなことに困りそうか」を調査してみると、 避難所の三密や感染対策に不安を感じている声が多く出てきました。

コロナ感染不安から避難所に行くことをためらったり、 自宅での避難を考えたりするなど、 災害対応にも影響を与えていました。

●コロナ禍における避難の考え方[JVOAD監修]

コロナ禍で災害が起きたとき、 どのように行動すべきか。 コロナ禍における避難の考え方とポイントを、

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)にうかがいました。

災害時は、 まず命を守ることが鉄則です。 今までは「いかに早く避難するか」がポイントでした。 しかしコロナ禍では、 自宅に留まったり、 宿泊施設を利用したり、

分散避難をしたりする等、 避難のあり方が大きく変化しています。

避難は、 1.一時的に「難を逃れる」ことと、 2.その後、 生活基盤が落ち着くまで続く「避難生活」との2つの軸で考える必要があります。

短期的な避難だけではなく、 長期的な避難も含めてシミュレーションをおこない、 家族や関係者間で共有しておきましょう。

【避難の際の手引き】

▶避難所の状況を確認する

自治体の公式サイトなどで開設されている避難所を確認し、 定員やその時点でどの程度埋まっているかも見ておく必要があります。 また、

ご自身の家族構成やペットの有無など、 必要な支援に応じた避難所を選びましょう。

▶どこに逃げるかを総合的に判断する

感染リスクの高い高齢者や持病のある方、 小さなお子さんがいらっしゃる方は、 複数の選択肢も検討し、 避難所が最善の場所なのかどうかよく考え、 決定しましょう。

▶避難する場所に応じた心得

避難所に行く場合

マスク、 手洗い、 消毒、 密を避けることはもちろん、 体温計での検温や行動記録を取ることも大切です。 避難所生活でよく言われるのは「我慢をしない」こと。

困っていることは、 避難所運営の自治体職員などに伝えることが大切です。

自宅に残る場合

地震の場合には、 自宅の築年数や耐震強度等を考えて判断を。 風雨災害の場合には、 ハザードマップで浸水や土砂災害の危険性がないかを確認します。 また、

自宅避難をする場合には、 最低でも数日間、 できれば1週間以上の備蓄が必要不可欠です。 さらに、

孤立してしまわないように自治体に自宅避難をしていることを伝えましょう。

宿泊施設や親戚宅に避難する場合

密集・密接を避けるための「分散避難」を考えると、 宿泊施設や親戚宅への避難も選択肢のひとつです。 親戚宅へ身を寄せるためには、

日頃からコミュニケーションを取っておきましょう。

自家用車に避難する場合

以前はエコノミークラス症候群の危険性から車中泊はしないように言われていましたが、 自治体によっては、

車中泊を前提にトイレを準備した駐車場を用意しているところも出てきました。

新潟大学特任教授で医学博士の榛沢和彦先生によると、 エコノミークラス症候群を防ぐために注意したいのは以下の点です。

1.弾性ストッキングや着圧ソックスを着用する、 2.水分をこまめに摂る、 3.睡眠時は足と体を水平にし、 休憩時にも足が下がらないように工夫する、

4.足の指でグーとパーを繰り返す、 ふくらはぎを軽くもむなどの足のマッサージを、 3時間に1回を目安におこなう

【コロナ禍の避難で準備しておきたい物】

コロナ禍での準備としては、 従来の非常持ち出し袋に、 「体温計・アルコール消毒液」のセットを加えましょう。 マスクは、

洗うための水の確保が難しいケースがあるので、 使い捨ての不織布マスクをたくさん用意しておくのがおすすめです。 また、 防塵マスクがあると、

土砂災害が起きた後に立つ砂ぼこりの吸引防止に役立ちます。

監修:特定非営利活動法人(認定NPO法人)全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)

地震に限らず、 台風や大雨などでいつ災害が起きてもおかしくない昨今、 コロナ禍では今までとは違った対応が必要になります。 災害が起きてからではなく、

起きる前に家族で話し合い、 地震、 台風など災害の種類に応じてどこに避難するかのシミュレーションをしておくことが大切です。 また、 それに応じた備蓄や、

家族内で待ち合わせの場所や連絡方法を決めておくこと、 親戚や地域の方とのコミュニケーションを取っておくことも大事なことです。 「備えあれば憂いなし」。

この機会に、 withコロナ時代の新しい災害への備えを始めましょう。

詳しくは以下URLをご確認ください。

▶ くらしの研究 特集「令和の災害に備える 本気の防災」

www.kao.co.jp/lifei/feature/bousai/03/?cid=lifei_prtimes210309a

(2021年3月掲載)

※1 花王株式会社「生活者研究部」 www.kao.co.jp/lifei/about/?cid=lifei_prtimes210309b

「生活者研究部」では、 花王グループの使命である「よきモノづくりを通じて人々の豊かな生活文化へ貢献すること」の実現をめざし、

生活者一人ひとりの暮らしを見つめた生活者研究をおこなっています。 生活現場での観察と対話を重ねながら、 行動に表れない本音、 説明できないこだわりなど、

行動の裏にひそむ「おもい」まで読み解いて、 課題を発掘し、 商品やコミュニケーション開発に活かすとともに、 生活者研究のウェブサイト、

花王「くらしの研究」から、 広く社会に発信しています。

花王「くらしの研究」 www.kao.co.jp/lifei/?cid=lifei_prtimes210309c

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