健診標準フォーマットに準拠した「健診標準二次元コード」の仕様を公開(無償提供)

健診関係10団体で構成する日本医学健康管理評価協議会が総意で推進している電子的標準様式「健診標準フォーマット」に準拠した形で、

健康診断結果情報を二次元コードとして表現する「健診標準二次元コード」の仕様およびサンプルプログラムを公開しました。 本仕様は、 次世代医療

ICT京都フォーラムの【健康データ利活用WG 健康・健診データ可視化と活用プロジェクト】の一環として、 二次元コード統一規格検討チームで策定されたものです。

■背景

個人の健康診断結果や服薬歴、 日々の健康データを電子記録として本人や家族が正確に把握し、 活用するための仕組みである『Personal Health

Record(PHR)』に対する期待が世界的に高まっています。 しかし、 PHRの普及に向けては、 サービスや時期をまたいだ健診データの蓄積ができないことや、

健診・検査結果の紛失などの問題が横たわっています。

これらの諸問題の要因として、 以下のような課題があります。

< 健診情報をPHRで活用する際の課題>

・結果用紙が紙で返却される

・電子的な健診結果の返却のために健診機関がサーバを維持管理するのは高コスト

・健診機関では保存期間を過ぎた記録は破棄される

・データ項目が標準化されていない

・データ流通方法が標準化されていない

こうした課題の解決のために、 健診受診者本人に対して電子的に健診結果データを返却するための標準的な二次元コードの仕様の策定プロジェクトを進めてきました。

■二次元コード統一規格検討チーム

本プロジェクトの推進にあたり、 次世代医療ICT京都フォーラムの健康データ利活用WG健康・健診データ可視化と活用プロジェクトの中に、

二次元コード統一規格検討チームが発足しました。 チーム構成としては、 京都大学や和歌山県立医科大学の研究者ほか、 公益財団法人京都高度技術研究所、

合同会社beyondS、 ヘルステック研究所といった産学連携のチーム構成となっています。

■二次元コード策定プロジェクトの概要と狙い

・薬の処方情報は厚労省規定形式の二次元コードにより電子的に流通しており、 多数の電子お薬手帳サービスが展開されていることを鑑み、

健診結果流通用の二次元コード仕様を策定する。

・健診機関が受診者本人に対して、 電子的に健康診断結果を送付するための標準仕様を開発する。 (流通(メッセージ)の規格が対象、 ストレージ規格は含まない)

・項目やカテゴリ値(選択値)は、 日本医学健康管理評価協議会の定める健診標準フォーマットに準拠することにより、 日本国内の標準化に対応。

・サーバ上にデータを置かないため、 健診機関の導入、 運用負担を低くおさえることができる。

・二次元コードとしては一般的なQRコード(※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。 )を用い、 データ形式はCSV形式とすることで汎用性をカバー。

・受診者は当該データを自身のスマートフォンアプリケーションに取り込んで、 健診情報の管理、 利活用が可能となる。

■実証実験の結果を受けての改善

2020年1月にベータ版仕様にて、 京都工場保健会(

https://www.kyotokojohokenkai.jp/)および如水会 今村病院(

http://www.josuikai.or.jp/)にて20名規模の実証実験を実施しました。

「健康について興味を持ちやすくなる」「健康的な生活習慣の意識づけに役立つ」という肯定的な意見が聞かれました。 また、

二次元コードが健診結果用紙に印刷される形で渡される前提においては、 個人情報の懸念はほぼないことも分かりました。

一方で、 二次元コードの読み取りやすさが課題となったことから、 今回公開する仕様においては、 可能な限り二次元コードのサイズを小さくできるように努めました。

具体的には、 二次元コード用のコード(QRID)の策定および、 二次元コード日本語を含まない形での仕様策定を実施しております。

今後、 さらに実証実験を行い、 より使いやすい形での仕様策定と普及を進めていきたいと考えています。

■詳細はこちらから

本仕様の策定の経緯や、 現状の仕様については以下のページよりご確認ください。

https://htech-lab.co.jp/normalization/

*本仕様の利用は無償です。

*ご利用いただく際に開発サポート等ご希望があれば有償で承ります。

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