フリーライター、エッセイストとして活躍する五十嵐大が贈る、慟哭のミステリ『エフィラは泳ぎ出せない』が、東京創元社のミステリレーベル〈ミステリ・フロンティア〉より刊行です。

フリーライター、エッセイストとして活躍する五十嵐大が贈る、慟哭のミステリ『エフィラは泳ぎ出せない』が、東京創元社のミステリレーベル〈ミステリ・フロンティア〉より刊行です。

注目の著者による、 鮮烈なミステリデビュー作!

『しくじり家族』(CCCメディアハウス)、 『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬舎)等、

ろう者である両親のことを中心にしたエッセイで話題をさらった、 五十嵐大がはじめてミステリに挑戦。 著者の地元、 宮城県を舞台に、

兄の死の真相を探る弟の姿を活写します。

*内容紹介

フリーライターとして東京を拠点に生活する小野寺衛は、 同棲する女性の妊娠が判明した日、 故郷に暮らす伯母からの電話を受ける。 知的障害のある七歳上の兄が、

亡くなったという連絡だ。 衛たち兄弟が幼いころに遊んでいた、 海岸で発見されたらしい。 何らかの毒物を飲んでの自殺だと知らされた衛は、

七年ぶりに故郷・松島へ向かう。 父親と二人暮らしだった七年間に何か原因があるのだろうか? 小さな頃から兄のサポートをすることが第一だった衛。

ある出来事がきっかけで、 それが苦痛となった衛は、 高校卒業後に上京し、 一度も故郷へ帰らずに過ごしてきた。 葬儀の際、

家族や生前の兄を知る幼馴染みと話してみると、 自ら死を選んだことに納得がいかない。 兄の死の真相を探る衛が掴んだ慟哭の真実とは?

今作へは、 『龍の耳を君に』『慟哭は聴こえない』等、 ベストセラー〈デフ・ヴォイス〉シリーズで知られる丸山正樹氏から、 今作への推薦コメントが寄せられています。

ミステリ作家・丸山正樹 推薦

謎が解けた時、 言いようのない哀しさに襲われた。

しかしその哀しさは“彼”にではなく、

“私たち”に向けられているのかもしれない。

さらに、 電子ゲラ配信サービス『NetGalley(ネットギャリー)』でも、 レビュアーによる感想が上がっています。

知的障害を持つ兄・聡の自殺を疑い、 死の真相を探す衛。 真相を探していく過程で聡と、 聡を取り巻く人々の関係や事実が明らかになっていく。 ミステリを通して、

障碍児に対する周囲の思い、 障害を持つ人の自立や幸せなど様々なことを考えさせられる濃い作品だった。 聡の部屋にあった2枚のポスターがとても切ない。

読み終えた後、 タイトルと冒頭のウィリアム・ジェームズの言葉が悲しいほど染み込んでくる。(図書館関係者)

タイトルからは想像できないほどの、 さまざまな人生が絡み合った歴史がそこにはあった。 所々謎が秘密めいて揺さぶられるが、

真実が明らかになってくると誰も責めることができない悲しい人間の性が浮かび上がってくる。 エフィラは幼生になって海に泳ぎだし、

そこから1週間ほどで海月になるという。 聡はエフィラではあったが確実に泳ぎだしていたのだ。 私はそう解釈した。(メディア関係者)

フリーライターやエッセイストとして活躍する著者が、 魂を込めて書いた衝撃のミステリ。

主人公が知ることになる慟哭の真実に、 心を鷲掴みにされること間違いなし!

五十嵐大の『エフィラは泳ぎ出せない』にご注目ください!

*ミステリ・フロンティアとは?

ミステリ・フロンティアは、 ミステリの次世代を担う新鋭作家のためのレーベルです。

2003年にスタートして以来、 伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』、 米澤穂信『さよなら妖精』、 桜庭一樹『少女には向かない職業』、

道尾秀介『シャドウ』など、 つねに注目を集める作品を送り出しています。

*書誌情報

書名:エフィラは泳ぎ出せない

著者名:五十嵐 大

判型:四六判仮フランス装

レーベル:ミステリ・フロンティア

ページ数:302ページ

ISBN:978-4-488-02019-4

Cコード:C0093

定価:1,980円(税込)

写真:HiroHiro555 / PIXTA

装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。

*著者プロフィール

五十嵐 大

1983年、 宮城県生まれ。 元ヤクザの祖父、 宗教信者の祖母、 耳の聴こえない両親のもとで育つ。 高校卒業後上京し、 ライター業界へ。

2015年よりフリーライターとして活躍。 現在は、 ハフポスト日本版、 「かしわもち」(柏書房)、 「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)など、

Webメディアから雑誌まで幅広い媒体に寄稿している。 自身の両親のことを綴ったエッセイ『しくじり家族』(CCCメディアハウス)、

『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬舎)が話題となる。