2024年本屋大賞の発掘部門で、井上夢人さん『プラスティック』(講談社文庫)が「超発掘本!」を受賞しました!!

『99%の誘拐』『ラバー・ソウル』などさまざまな切り口で斬新なミステリーで、ファンを魅了し続ける井上夢人さんの名作『プラスティック』が、本年の本屋大賞発掘部門の投票結果が公式サイトで発表され、「超発掘本!」に選出されました。

本屋大賞「発掘部門」はジャンルを問わず、2022年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本をエントリー書店員が一人1冊選びました。さらにその中から、これは!と共感した1冊を実行委員会が選出し「超発掘本!」として発表されます。

◎『プラスティック』講談社ページ

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000203581

◎ 本屋大賞公式サイト

https://www.hontai.or.jp/

◎『発掘部門』投票結果ページ

https://www.hontai.or.jp/history/find/vote2024.html

【推薦者】尼子慎太さん ページ薬局(大阪府)

☆推薦コメント全文☆

“意味深なタイトルに魅入られて、手に取った作品。”

もう30年前の作品で、フロッピーディスクやワープロなど、令和の時代ではピンとこない人達もいるであろう単語が並ぶ作品ですが、主婦である向井洵子が遭遇する奇妙な出来事から、謎が謎を呼ぶその展開は、今読んでもガツンと脳みそに突き刺さる衝撃がありました。

小説だからこそ味わえる衝撃は、時代に関係なく共有できるはず。そのパワーを確信できる驚きがこの作品にはあります。

僕が味わったこの衝撃を、令和の時代でも共有出来るのか、本作品を通じてチャレンジしてみたいです。

『プラスティック』内容紹介

54個の文書ファイルが収められた1枚のフロッピーディスク。一番はじめに記録されていたのは、主婦・向井洵子が書いた日記だった。日記の内容は、出張した夫の帰宅を待つ間に洵子が遭遇した奇妙な出来事であり、それこそがアイデンティティを軋ませ、崩壊させる導火線となる!

「この本を手に取ったあなたの直感を信じて迷わずレジに持って行ってほしい。

本屋だからこそ生まれた、この偶然の出会いは30年の時を超えた衝撃をもたらすはず。」

と、ページ薬局の尼子さんが推す、問題作をぜひお楽しみください!

<書誌情報>

■タイトル 『プラスティック』

■著者名 井上夢人

■発行 講談社

■発売日 2004年9月15日

■レーベル 講談社文庫 ※電子書籍も配信中

■定価 880円(税込)

■ISBN 978-4-06-274861-4

<井上夢人さん プロフィール>

1950年生まれ。1982年徳山諄一との共作筆名・岡嶋二人(おかじま・ふたり)として『焦茶色のパステル』で第29回江戸川乱歩賞を受賞。1986年『チョコレートゲーム』で第39回日本推理作家協会賞長編賞受賞し、1989年『99%の誘拐』で第10回吉川英治文学新人賞受賞後、同年『クラインの壺』刊行と同時にコンビを解消する。

1992年『ダレカガナカニイル…』でソロとして再デビュー。他の著書に『メドゥサ、鏡をごらん』『オルファクトグラム』『the

TEAM』『あわせ鏡に飛び込んで』『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』など。