iPS細胞を活用した育毛研究のステムソン社(米国)と毛髪再生の知的財産権の独占的ライセンス契約を締結

毛髪・美容・健康のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都品川区、代表取締役グループCEO 津村

佳宏)は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の再生力を活用した毛髪再生の研究を行う、ステムソン・セラピューティクス社(本社:米国 カリフォルニア州

サンディエゴ、CEO ジェフ・ハミルトン

以下、ステムソン社)と細胞培養による毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を2月22日(木)に締結いたしました。アデランスが毛髪再生の知的財産権のライセンス契約を結ぶのは今回が初めてとなります。

毛髪再生研究においては、米国および日本の第三者研究機関では、その多くがフェーズ1と呼ばれる安全性試験の段階です。

当社およびステムソン社が把握している限りでは、現在も新しい毛包を成長させることができる脱毛治療法はなく、様々な企業が毛髪再生研究を進めていますが、アデランスのグループ会社のアデランス・リサーチ・インスティテュート(本社:米国

ジョージア州

アトランタ、以下、ARI)は、2002年に設立後、細胞培養による毛髪再生の研究を進め、2008年には一歩進んだフェーズ2と呼ばれる有効性等を調べる臨床試験に取り組んでおりました。ステムソン社は、2018年よりiPS細胞の再生力を活用した、独自の毛髪再生の研究を行っています。アデランスは、ARIが持つ独自の細胞培養による毛髪再生研究を、ステムソン社の毛髪再生治療薬などの開発・商品化に活かすべく、世界的な独占ライセンス契約を締結しました。

本契約により、ステムソン社はARIがフェーズ2の臨床試験として取り組んでいた「細胞治療毛髪再生プログラム」の実施を再開し、既存の脱毛細胞治療開発パイプラインに統合することが可能となります。当社及びステムソン社が協力することで、脱毛患者や毛髪再生を望む多くの方に対する毛髪再生治療薬などの開発、商品化の実現に歩みを進めてまいります。

左から)ボズレー社 博士 ケン・ワシニック、ステムソン社 エグゼクティブチェアマン マット・ポーザード氏、当社代表取締役グループCEO 津村 佳宏、ステムソン社

CEO ジェフ・ハミルトン氏

■ステムソン社 CEO ジェフ・ハミルトン氏コメント

ARIの技術・ノウハウとフェーズ2の臨床ステージ開発プログラムがステムソンのポートフォリオに加わることで、今後当社は、幅広い脱毛症に対応する複数の細胞治療製品コンセプトの追究を拡大することができます。ARIの草分け的研究で得られた初期の結果では、機能する毛包細胞や組織を修復させることで、長期にわたって持続する毛髪再生の可能性を、この分野に示しました。その研究と私たちが持つ毛髪再生分野における毛包細胞および組織工学の能力とを組み合わせ、脱毛患者のための真の画期的な製品を創り出したいと思います。

■株式会社アデランス 代表取締役グループCEO 津村 佳宏コメント

アデランスは1968年の創業以来、薄毛のソリューション開発に取り組んでおります。私たちは、世界中の方々に先進的なソリューションを提供できるよう、毛髪再生細胞治療研究の技術をステムソン社と提携いたします。ステムソン社のチームと協力することで、同社による開発の取り組みをさらに推進し、ボズレークリニック

の世界的ネットワークを通じて商業化を支援することを楽しみにしています。

■ボズレー社 博士 ケン・ワシニックコメント

脱毛に対する史上初の細胞治療ソリューション開発において、ARIで我々が取り組んできた先駆的な研究では、男性の早期アンドロゲン性脱毛症治療に向けた臨床試験で、極めて有望な結果が得られました。この素晴らしい毛髪再生ソリューションの開発や実用化を成功させる上で、毛包細胞と組織工学で高度な専門知識を有する

ステムソン社は、理想的な立場におられると私たちは確信しています。

■アデランス・リサーチ・インスティテュート(ARI)について

ARIは、2002年に細胞培養による毛髪再生研究を目的として設立された当社のグループ会社です。細胞培養による毛髪再生の英国における安全性試験(フェーズ1)では、培養細胞を注射した治験者合計33名のうち、10名に一定の効果が認められました。その後、培地の改善による安全性の確保と、被治験者の頭皮細胞を培養後本人に戻すという細胞治療の安全性に対する第三者機関からの評価を受け、米国のFDAに承認され、米国にてフェーズ2を開始しました。

その後、男性の早期アンドロゲン性脱毛症を治療するために、ヒト患者約450例を対象に、米国でフェーズ2の臨床試験を実施。初期の臨床データでは、機能する毛包細胞を対象の頭皮領域へ1回投与することで、副作用がなく安全に発毛し、長期にわたって効果を持続できることが示唆されました。

<会社概要>

会社名:アデランス・リサーチ・インスティテュート

設立:2002年

事業内容:細胞培養による毛髪再生研究

■ステムソン・セラピューティクス社について

ステムソン・セラピューティクス社は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の再生力を活用して脱毛を治療することを使命として、2018年に設立され、前臨床段階の細胞治療について研究開発等を行っています。脱毛に悩む患者の損傷または枯渇した毛髪の成長に必要な細胞を再生するために、iPS細胞を使用しております。iPS細胞由来の毛包細胞は、新たに毛包を成長させるために使用され、様々な脱毛症に苦しむ人々の治療を行うために、新しい毛髪の成長を促します。我々の知る限り、現在、新しい毛包を成長させることができる治療法はありません。

当社の科学者、アドバイザー、協力者からなる世界クラスのチームは、脱毛治療を求める何百万もの脱毛患者に、科学に基づいた臨床試験済みの脱毛治療法を提供することに情熱を注いでいます。

<会社概要>

会社名:ステムソン・セラピューティクス

所在地:3550 General Atomics Ct, Building2, Suite131,San Diego, CA 92121, USA

代表者:CEO ジェフ・ハミルトン

設立:2018年

事業内容:iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用した脱毛治療の研究

ホームページ:

https://stemsontx.com/

■アデランスグループについて

▶株式会社アデランスのウィッグ事業

株式会社アデランスは1968年の創業以来、アジア、北米、ヨーロッパ各地で事業を展開しているトータルヘアソリューション企業で、世界19の国と地域に67社※1※2、日本国内448店舗※2、海外265店舗※3のネットワークでグローバルに事業を展開しています。日本ではオーダーメイド・ウィッグを主軸に取り扱う「ADERANS」と、レディメイド・ウィッグ(既製品)の「FONTAINE(フォンテーヌ)」を、北米では毛髪移植(ヘアトランスプラント)の「BOSLEY(ボズレー)」、男女向けヘアシステム「HAIRCLUB(ヘアクラブ)」のブランドを核に、高品質な商品・サービスを提供しています。

アデランスのオーダーメイド・ウィッグは、生産販売一貫体制のもと、自社開発した人工毛「サイバーヘア」「バイタルヘア」「サイバーエックス」を使用しており、現在も新たな人工毛の開発を継続しています。また、タイ、フィリピン、ラオスにある自社工場にて、熟練した技術者が繊細で高品質なウィッグの生産を担っています。

※1 非連結グループ会社を含む ※2 2023年8月末時点 ※3 2023年6月末時点

▶ボズレー社のヘアトランスプラント事業の展開ついて

ボズレー社は北米市場でトップシェアを有する、毛髪移植における世界的な第一人者です。ボズレーの毛髪移植は専門性の高い医師と医療スタッフによって行われ、後頭部または側頭部の頭皮から健康な毛包(毛根を含む組織)を切除し、薄毛部分に移植します。他にも、医療タトゥー、PRP(多血小板血漿)療法、FDA認証を受けているBosleyRX(テレメディシン)ソリューションなど、外科的および非外科的な最先端の毛髪再生ソリューションを提供しています。ボズレーは25のクリニックと50の相談室を展開しております。(2023年5月末時点)

ボズレー社はこれまで、ARIの研究にも同社の患者の患部の採取提供など協力しており、今後も、ステムソン社の研究に協力していきます。

ホームページ:

https://www.bosley.com/