創元文芸文庫2024年のラインナップが決定!英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作『イギリス人の患者』(マイケル・オンダーチェ/土屋政雄訳)を皮切りに多彩なラインナップでお届けいたします!

創元文芸文庫2024年のラインナップが決定!英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作『イギリス人の患者』(マイケル・オンダーチェ/土屋政雄訳)を皮切りに多彩なラインナップでお届けいたします!

ノーベル文学賞受賞の「短編小説の女王」による珠玉の短編集から、豪華執筆陣によるアンソロジーまで、2024年も充実のラインナップでお届けいたします。

■多彩な文芸作品をお届けしている「創元文芸文庫」

2022年2月に創刊した東京創元社のレーベル〈創元文芸文庫〉。

凪良ゆうの本屋大賞受賞作『流浪の月』を皮切りに、古内一絵『キネマトグラフィカ』、町田そのこ『うつくしが丘の不幸の家』と話題作を立て続けに刊行して注目を集めました。その後も国内実力派作家の文芸作品をラインナップに加え、2023年には鬼才エドワード・ケアリーの代表作『望楼館追想』やローラン・ビネの本屋大賞翻訳小説部門受賞作『HHhH』といった質の高い海外文芸作品を刊行。さらには町田そのこ、寺地はるな他、豪華執筆陣が冠婚葬祭をテーマに共演したアンソロジー『わたしたちの特別な一日』を刊行するなど、バラエティに富んだレーベルとして読者の高い支持を集めています。

■2024年のラインナップは英国最高の文学賞、ブッカー賞50年の歴史で頂点に輝く長編小説『イギリス人の患者』からスタート!

注目の創元文芸文庫ですが、2024年刊行のラインナップが決定しました!

劈頭を飾るのは英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作であるマイケル・オンダーチェの『イギリス人の患者』。

ブッカー賞は、2020年に小川洋子さんの『密やかな結晶』が、22年に川上未映子さんの『ヘヴン』が翻訳部門であるブッカー国際賞の候補に選ばれるなど、日本国内での知名度もますます高まっています。

2018年にブッカー賞50周年を記念して開催された、歴代受賞作から最も優れた作品を選ぶゴールデン・マン・ブッカー賞。『イギリス人の患者』は、マーガレット・アトウッド、カズオ・イシグロ、イアン・マキューアンといった現代を代表する作家たちの錚々たる歴代受賞作を抑えて同賞の栄冠に輝いた、至高の長編小説です。本作を原作とした映画『イングリッシュ・ペイシェント』も、第69回アカデミー賞では最多12部門にノミネート、作品賞をはじめとした最多9部門を受賞するなど斯界から称賛を受けた傑作として、原作とともに有名です。

この度の文庫化にあたっては『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』(河出書房新社)で著名な作家の池澤夏樹氏に推薦コメントをお寄せいただきました。

詩的散文。どこまでも広がる物語の唐草模様。途中で止めるわけにはいかない。

――池澤夏樹

また、解説では、第1回塚本邦雄賞を受賞されるなど現代短歌を代表する歌人のひとりとして活動され、現在〈本の雑誌〉の「新刊めったくたガイド」で海外文学の新刊時評も担当されている石川美南氏にご寄稿いただいています。

「イギリス人の患者」とは、本当は誰なのか。その答えが明らかになるとき、読者は、境界のない砂の世界に生きることを切望しながら、国という大きな力によって分断された患者の痛みを知ることになる。

――石川美南(解説より)

美しくも危うさを秘めたこの物語は、きっと読者の皆様にとっても忘れられないものになるでしょう。

現在、好評発売中です。

この名作からスタートする2024年の創元文芸文庫ラインナップは以下の通りです。

(一部仮タイトルです)

『イギリス人の患者』マイケル・オンダーチェ/土屋政雄 訳

『イギリス人の患者』マイケル・オンダーチェ/土屋政雄 訳

* 1月 『イギリス人の患者』 マイケル・オンダーチェ/土屋政雄 訳

砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた男は顔も名前も失い、廃墟のごとき屋敷に辿り着いた。世界からとり残されたような場所へ、ひとりまたひとりと訪れる、戦争の傷を抱えたひとびと。それぞれの哀しみが語られるとともに、男の秘密もまたゆるやかに、しかし抗いがたい必然性をもって解かれてゆく──英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く至上の長編小説。

訳者あとがき=土屋政雄/解説=石川美南

* 3月 『アンソロジー舞台!』 近藤史恵、笹原千波、白尾悠、雛倉さりえ、乾ルカ

ミュージカル、バレエ、ストレート・プレイ、2.5次元、そして観客。さまざまな舞台をテーマに描かれた五つの物語を収録する、オリジナルアンソロジー。

* 5月 『ジェリー・フィッシュ』 雛倉さりえ

思春期の儚い恋と傷の痛みを繊細な筆致で描き出した著者デビュー作、書下ろしを加えて文庫化。

* 7月『小説のように』 アリス・マンロー/小竹由美子 訳

音楽家の女性の前に現れた一冊の小説。物語は彼女の過去と重なり、痛みと共に過ぎ去った人生に新たな景色を与えていく――

ノーベル文学賞、国際ブッカー賞受賞の「短編小説の女王」による、珠玉の短編集を初文庫化。

* 9月 『無垢なる花たちのためのユートピア』 川野芽生

少年たちをのせて天空をゆく船、ひとが人形に変化する奇病が蔓延した村、機械の身体を持つ男と植物に身を覆われた少女との出会い……。幻想文学の新鋭による初の小説集を文庫化。

* 11月 『料理を作る人』 西條奈加、千早茜、深緑野分、秋永真琴、織守きょうや、越谷オサム

お客さまの満足のため、家族の健康や団らんのため、自分で食すため……。どんな料理であっても、そこには作り手の想いが注ぎ込まれている。

そんな「料理を作る人」をテーマに豪華執筆陣が集結。心と胃袋を満たす極上の物語。

既存のジャンルの枠を超えた文芸作品を、文庫という親しみやすいかたちで読者にお届けすべく創刊されたレーベル、創元文芸文庫もお陰様で2周年を迎えました。

2024年は東京創元社創立70周年。その節目の年にふさわしい充実のラインナップでお届けする創元文芸文庫に、引き続きご注目ください!

創元文芸文庫 特設サイト

https://special.tsogen.co.jp/sogenbungeibunko