トイメディカル株式会社と熊本大学が共同研究講座『製剤応用食品技術共同研究講座』を開設

塩分による健康課題解決の鍵となる新たなフードテックを創出する共同研究プロジェクトが始動

日本初の塩分吸着ファイバーを応用した塩分コントロール技術で、世界の塩分過剰摂取問題の解消に取り組むトイメディカル株式会社

(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:竹下英徳、以下「当社」) と国立大学法人熊本大学 (学長:小川久雄、以下「熊本大学」) は、熊本大学大学院生命科学研究部

(薬学系) に共同研究講座『製剤応用食品技術共同研究講座』 (教授:本山敬一、准教授:東大志) を2024年4月1日に新たに開設し、研究を開始します。

本共同研究講座では、当社の有するアルギン酸塩類を活用した独自の塩分コントロール技術と、熊本大学大学院生命科学研究部製剤設計学分野の有する製剤技術と叡智を融合させ、これまでに無い新たなフードテックの創出を目指します。

■共同研究講座の概要

講座名:製剤応用食品技術共同研究講座

設置場所:熊本大学大学院生命科学研究部

設置期間:2024年4月1日~2026年3月31日

研究体制:本山 敬一 (熊本大学大学院生命科学研究部 製剤設計学分野 教授)

東 大志 (熊本大学大学院生命科学研究部 製剤設計学分野 准教授)

竹下 英徳 (トイメディカル株式会社 代表取締役社長)

林 祐也 (トイメディカル株式会社 研究開発本部 本部長)

取組内容:アルギン酸塩類を用いた塩分コントロール技術と製剤技術を掛け合わせた

新たなフードテックおよび食品の研究開発

1) 製剤技術によるアルギン酸塩類の機能性向上と物性改善

2) 疾患モデルにおける塩分コントロール技術の有用性評価

3) 塩分コントロール技術の医薬品への応用研究

■共同研究講座設置の背景

塩分中に含まれるナトリウムは、人体において、浸透圧調整、神経伝導シグナル、消化吸収補助、疲労回復、筋肉や心筋の収縮・弛緩など多くの役割を担っている重要な栄養素の一つです。また、塩分は食生活に美味しい味わいを与えてくれるとともに、食品の保存方法の一つである塩蔵は私達の食生活・食文化に古くから慣れ親しまれています。

一方で、塩分の過剰摂取は高血圧の進展に関与しており、心血管疾患、脳卒中、腎不全などの生活習慣病やがんなど重篤な疾患発症のリスクとなっていることが明らかにされています(1,2)。さらに近年の世界での大規模調査研究においては、世界における感染性疾患以外の死因として「

塩分の過剰摂取」「全粒穀物の摂取不足」「果物の摂取不足」が三大要因であり、特に日本を含む東アジアでは『塩分の過剰摂取

』が最大の死亡要因であることが報告されました(3)。現在、世界保健機関 (WHO) では一日当たりの推奨塩分摂取量を5 g未満、日本の厚生労働省では男性7.5

g未満、女性6.5 g未満と定めています(4)。しかし、実際の日本人の一日当たりの平均塩分摂取量は10.1 g (男性10.9 g、女性 9.3 g)(4)

であり、推奨塩分摂取量を遥かに超えていることから、生活習慣病の発症・増悪への影響が懸念されています。

これまでに世界および日本では、塩分過剰問題に対して『減塩』を主とした様々な施策が行われてきました。しかし、食塩摂取量は依然として目標値には遠く及ばない現状があります。また、塩分の使用量を減らす減塩は、塩分対策として有効な方法の一つですが、塩味が薄くなることは避けられず、何よりも美味しい塩味のある食事を食べる楽しみが損なわれてしまします。そのため、塩味のある美味しい食事を食べる楽しみを損なうこと無く、健康を維持できるような食品を提供する新たなフードテックの確立が課題と言えます。

そこで本共同研究講座では、これまでの塩分対策である減塩や食事制限とは全く異なるアプローチである当社独自のアルギン酸塩類を用いた『塩分コントロール技術』

を活用して、新たなフードテックの創出と有用性評価を行います。この新たな塩分コントロール技術は、食事からの塩分の吸収を抑えるのみならず、様々なNCDsの予防や健康増進へ繋がる可能性を秘めています。さらに、塩分コントロール技術に熊本大学の有する製剤技術を掛け合わせることで、塩分コントロール機能を有する食品原料の物理化学的性質の改善や放出制御・標的指向性の付与など、高機能化された食品添加物原料や健康食品、保健機能食品

(特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品) の研究開発を実施します。この技術は健康・ヘルスケア分野に留まらず、医療・介護分野への応用展開も期待できます。

今後、本共同研究講座で創出した研究成果をもとに食と健康を両立させる技術・製品を生み出すことで、世界の塩分過剰による問題を解決し、健康社会の実現・健康寿命の延伸へ貢献します。

■参考資料・参考文献

(1) Wang et al., World J. Gastroenterol., 15(12), 1427-1430 (2009).

(2) Banda et al., Nutr. Rev., 78(8), 688-698 (2020).

(3) Afshin et al., Lancet, 393(10184), 1958-1972 (2019).

(4) 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要, 厚生労働省, (2019).

■塩分コントロール技術について

海藻より抽出したアルギン酸類の塩分吸着機能に着目し、食事中の塩分量を減らすのではなく、吸着によって体内への吸収をコントロールする技術です。

親水性アルギン酸塩と疎水性アルギン酸塩をバランス良く配合した塩分吸着ファイバー(特許第6497764号)を利用し、サプリメントや食品に展開します。

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