医療機関200院に『職域接種』についてアンケート調査を実施

代表取締役:杉田雄二)は、 『新型コロナワクチンの職域接種(企業や大学等における接種)』についてアンケート調査を実施し、 200院より回答を得ました。

(調査期間:2021/6/7~6/9) <調査結果のサマリー> 1. 職域接種の依頼を受託する予定は、 約半数が『まだ分からない』と回答

2. 受託可否の判断にあたっての懸念点としては、 『人材の確保』に関する回答が上位に

3. 職域接種を受託する場合は、 自院での接種を検討している医療機関が最も多い

4. 自由記述からは、 高齢者接種等の現在の接種で余裕がないという声や、 まだ詳細が不明で動けないという声が多数

1.職域接種の依頼を受託する予定は、 約半数が『まだ分からない』と回答

職域接種の依頼を受託する予定について質問したところ、48%が「まだ分からない」、29%が「いいえ」、23%が「はい」と回答しました。

2.受託可否の判断にあたっての懸念点としては、 『人材の確保』に関する回答が上位に

受託可否の判断に当たっての懸念点について質問したところ、TOP3は1位「看護師や保健師の確保」、2位「医師の確保」、 3位「2回接種のスケジュール管理」

となりました。

その他に含まれる回答には、 「現在対応している接種で余裕がない」というものが7件、 「ワクチンの確保・保管」に関するものが4件ありました。

≪上記回答の詳細や補足(自由記述より抜粋)≫ * 64歳以下の依頼数がまだ読めない。

* 一般枠が始まった時の混雑が予想される。

* 地域接種を依頼される規模が分からないと受けるとも受けないとも言えない。

副反応が発生した際の対応を考えると当院内で行える接種しか受けられないと考える。

* 平日は高齢者で予約あり。 実施する場合は土、 日を予定する。

* 看護師と事務員の確保が困難。

* すでに一企業との間で数千人分の接種を検討している。

* 院内で個別接種対応予定。

* テレビの報道のみで詳細は全く分からない。

* 企業訪問時に重度の副反応が発生した際の緊急対応に関しての懸念。

* 大学の場合、 接種率がどのくらい見込めるか。

* 単一企業以外の実施(商工会議所等)に際する具体的実施スキーム。

* ワクチンの保管・管理は事業所責任か受託機関か。

* 会場設営等は企業が担当し、 当院からは、 医師・看護師が出向くケースでの接種手数料の扱いなど不明な点がある。

3.職域接種を受託する場合は、 自院での接種を検討している医療機関が最も多い

問1で職域接種の依頼を受託する予定があるかについて「はい」「まだ分からない」と回答された医療機関に、 受託する場合に検討する方法を質問したところ、TOP3は1

位「自院での接種」、2位「企業に訪問しての接種」、3位「未定」となりました。

4.職域接種について、 お感じの思いやご意見があればお聞かせください(自由記述) * 責務ではあるが、 他のコロナに関する対応問題が山積みで、

職域接種まで手が回らない。

* 病院での連日のワクチン接種、

院外での集団接種会場への医師や看護師の派遣を行っており、 通常診療に加えて職員の業務負荷は大きく、 職域接種への協力は困難。

* 高齢者や一般の方の接種と並行することは人員確保と場所確保が難しい。

* まずはかかりつけ患者様や健診ドック受診者様が優先になると考える。

* 日常的に発熱者等の来院のある中、 職員をはじめ、

患者様のクラスター対策が必須。 従って、 ワクチン接種の受託等については現在のところ想定外である。 むしろ、 65歳以上のかかりつけ患者対応と今後、

基礎疾患のある患者の優先度になると思われる。

* 閑散期の対応であれば検討の可能性がある。

* 会場の場所設置係員の確保等。

* 医師、 看護師などの人員が確保できるかが問題。

* 自院での実施について検討したが、

1施設1ワクチンの決まりがあることで自院での実施が不可のため実施方法を検討中。

(自院で実施している医療従事者・高齢者のワクチン接種はファイザー製を使用している。 職域接種はモデルナ製で決められている。 )

* 現状ファイザー製を使用しているが、 職域接種はモデルナである。

1医療機関で複数社のワクチンの管理及び、 2回目の接種時の接種ワクリンの取り間違い等の注意事項の増加。

* そもそも大規模接種会場が空いているので活用すべきと考える。

* 企業側の協力をお願いしたい。

* ワクチン管理ができればどこでも接種できると思う。

職員等の制限をかけずに進められるように自治体は支援すべきと思う。

* 事業所訪問接種には、 会場準備、 リスク管理が難しい場合もあり、

慎重な検討が必要。

* 工場の多い地域であるが、 副反応(発熱や倦怠感を訴えた社員が、

翌日有給休暇を取得することが考えられる)を考慮し、 1日何人の接種が現実的に可能なのかが不明なため、 接種の期間が見えないことから、

対応できるかどうかの判断が難しい。

* 費用面や救急体制に不安がある。

*

実施に際する具体的な諸条件を明示せずに発表したため「職域」「産業医」というワードが独り歩きし、 事業場および医療機関ともに混乱を招いている。

* 産業医の言葉だけが先走り中小の産業医受託先から問合せ多数で苦慮している。

* 色々と不明確かつ中途半端なルールが多い中で、

接種を推進していることに不安を感じる。 また、 通常の医療に加え、 65歳以上の接種もしながら企業接種の同時並行は、

体制的にも非常に困難があると感じている。

* 診療所のある大企業の実施については理解できるが、

他の企業の接種については受託内容の範囲、 費用(実施に伴う人件費等)が不明。

* 中小企業が職域接種について自前で準備するのはハードルが高いが、

職種によっては早急に接種したい職種もあり、 そのあたり政府のサポートがどれだけあるのか不透明である。

* 報道発表が先行され、 通知が一切こないので、 準備ができない。

* 国がワクチン以外の費用についてどの程度補助があるのかもわからないため、

現状では検討することが出来ない。

* 制度整備が不十分。 収益が見込めないので、

実施するにあたり検討材料が多い。 2回目の接種日の設定を考えたときに、 スケジュールの調整も非常に難しい。

<調査概要>

アンケート実施期間:2021年6月7日(月)~2021年6月9日(水)

有効回答:200院

対象者 :全国の医療機関

対象属性:健診機関18%、 クリニック20%、 病院(100床未満)16.5%、 病院(200床未満)26%、

病院(300床未満)13.5%、 病院(400床未満)3%、 病院(400床以上~)2%、 その他1%

回答方法:WEBを利用したアンケート調査

* 職域接種のスムーズな実施には、 打ち手の確保がポイントに

職域接種に関しては、 まだ情報収集段階であったり、 検討中の医療機関が多い結果となりました。

現時点での職域接種の受託に関する懸念点としては、 「人材の確保」に関するものが上位を占めました。

現在の高齢者接種等と並行して職域接種をスムーズに実施するためには、 いかに打ち手を確保できるかが、 大きなポイントです。

接種対応をする医師不足が叫ばれる状況ですが、 エムステージが2021年5月に集計した新型コロナワクチン接種求人への医師の応募倍率調査(参照:

https://www.mstage-corp.jp/2021/05/21/1774)によると、 コロナワクチン求人への応募倍率は2.37倍と、

多くの医師がワクチン接種の勤務を希望しています。 これは、 ワクチン接種の対応に手を挙げた医師の半数以上が、

勤務できずに採用見送りとなっている状況であると言えます。

医師からの「ワクチン接種にぜひ協力したいが、 どこから協力できるのか分からない」といった問い合わせや、 「拘束時間の長い募集が多いため、

半日や夜診枠での勤務があれば子育て中の女性医師や終業後の勤務医など、 もっと多くの医師が協力できる」といったご意見も寄せられています。

職域接種をスムーズに実施するために、 接種へ協力できる医師を増やすための工夫や仕組みの構築が求められます。

<解説者紹介>

株式会社エムステージ 取締役

MHR事業部 医師紹介部 部長

吉丸 智子(よしまる ともこ)

医療従事者の人材コンサルティング会社を経て、 2016年(株)エムステージ(旧メディカル・ステージ)に入社。 医師のキャリアコンサルティングに携わり、

2020年4月より医師紹介部部長。 医療経営士1級。

■医師求人サイト「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」について

「Dr.転職なび」:

https://tenshoku.doctor-navi.jp/

「Dr.アルなび」:

https://arbeit.doctor-navi.jp/

エムステージが運営する医師向け転職求人サイト、 アルバイト求人サイト。 会員医師数 22,000 人以上(2021年4月時点)。 多様な働き方を推進し、

医師の不足・過重労働などの課題解決を目指しています。 全国の専任担当者が「医師が本当に欲しい情報」にこだわり、 詳細な求人情報を収集。

質の高い情報を提供することで、 医師の求職を支援します。 「Dr.アルなび」では、 マイページ内で応募から勤務まで完結する独自システムを提供し、

年間3.3万件超のマッチングが成立しています。

■エムステージについて

「すべては、 持続可能な医療の未来をつくるために」をビジョンに、 医療従事者のキャリア支援と医療機関向け採用支援、

産業医・産業保健師を軸とした産業保健サービスを運営しています。

2003年、 医師の求職を支援する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」を提供開始。 その後、 病院事務職の求職を支援する「M.PLAT求職支援」を提供開始。

医療者の柔軟な働き方を切り開き、 医療機関の採用課題を解決しています。 2016年、

産業医・産業保健師を軸とした企業向け健康支援サービス「産業保健サポートサービス」を開始。 利用事業場数1,700事業場を突破(2021年4月現在)。

働く人の健康に寄与し、 予防医療の観点から医療費削減に貢献しています。

<会社概要>

商 号: 株式会社エムステージ

代表者: 代表取締役 杉田 雄二

設 立: 2003年5月

資本金: 5,000万円

所在地: 〒141ー6005 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower5階

事業内容: 医療人材総合サービス、 事業場向け産業保健支援

URL :https://www.mstage-corp.jp/

https://www.mstage-corp.jp/

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