NPO法人日本IDDMネットワーク自治医科大学へ「循環型研究資金」による支援

全国の1型糖尿病患者・家族を支援する私たち認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク(理事長 井上龍夫、 本部 佐賀市)は、

4例目となる1型糖尿病の根絶に向けた研究への「循環型研究資金」による支援を自治医科大学へ行うこととし、 記者会見を行います。

〇開催日時令和3年8月23日(月) 15:00開始

〇開催場所自治医科大学

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

※新型コロナウイルス感染予防のため、完全オンラインで開催いたします。

オンライン会議システムアプリ「Zoom」にてご参加ください。

〇出席者

自治医科大学 学長 永井 良三

自治医科大学 先端医療技術開発センター長 花園 豊

自治医科大学 先端医療技術開発センター 動物資源ラボラトリー 准教授 谷原 史倫

日本IDDMネットワーク 理事長 井上龍夫

<研究課題>

◆ゲノム編集技術を用いた自己免疫機能の改変による自然発症1型糖尿病モデルブタの開発

研 究 者: 自治医科大学医学部先端医療技術開発センター動物資源ラボラトリー 准教授 谷原史倫

研究資金:400万円(200万円/年を2年間継続)

研究概要: 身体の大きさや構造がヒトに近いといわれるブタで、 遺伝情報を簡便に書き換えるゲノム編集という技術を用いて1型糖尿病モデルブタの作出を目指します。

方法としては、 自己免疫に関連するPD-1遺伝子およびPD-L1遺伝子を標的とし、 ゲノム編集によりこれらの遺伝子をブタの体外受精卵で同時に改変します。 次に、

この体外受精卵を仮親となる雌ブタに胚移植することで子ブタを作出します。

生まれた子ブタで自己免疫疾患の一つともいえる1型糖尿病が引き起こされることを期待しています。 本研究により、

世界初となる1型糖尿病モデルブタの系統が樹立されれば、 そのモデルブタを使用することで1型糖尿病の治療薬の研究や試験研究の幅が広がり、

1型糖尿病の克服に貢献することが期待できます。

<認定NPO法人日本IDDMネットワーク理事長コメント>

1型糖尿病患者・家族が中心となって運営する日本IDDMネットワークでは、 2005年の1型糖尿病研究基金設立後、 これまで98件、

4億8200万円の研究費助成を行ってまいりました。

当基金は、 患者・家族自らが「不治の病を治る病にする」、

「不可能を可能にする」挑戦に賛同いただいた方々からの当法人への直接の寄付並びに“佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”など、

日本全国の方々からのご支援で成り立っています。

今回は、 一方的な研究助成という形ではなく、 研究成果により当該研究機関が対価を得た場合は、

日本IDDMネットワークが提供した資金を上限にその研究資金が当法人に還元されるという形態です。

こうした患者・家族が中心になって研究資金の循環を創りだす取り組みは、 当法人が順天堂大学と契約を交わしたものが国内初の試みであり、

国立大学法人で初めてとなった徳島大学、 名古屋大学に続いて自治医科大学が4例目となります。

研究成果により日本IDDMネットワークへ還元される資金をもとに、 私たちが国内の他の研究者の方々へさらに研究資金“循環型研究資金”を提供することで、

日本国内の1型糖尿病根絶(=予防+治療+根治)に向けた研究がさらに進展することを意図しています。

≪1型糖尿病とは≫

原因不明で突然、 小児期に発症することが多く、

現在の医学水準では発症すると生涯に渡って毎日4-5回の注射又はポンプによるインスリン補充がないと数日で死に至る難病。

糖尿病患者の大半を占める生活習慣病と称される2型糖尿病に対し、 国内での年間発症率は10万人当たり1-2人と希少な病であり患者と家族の精神的、

経済的負担は大きい。

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