柳美里さんに大きな栄誉。村上春樹、宮崎駿、坂本龍一さんらが受賞のバークレー日本賞受賞!

数年に1度、 受賞者が発表される「バークレー日本賞」(Berkeley Japan Prize)。

その第5回受賞者に柳美里(ゆう・みり)さんが選ばれたことが発表されました(下記リンク参照)。 バークレー日本賞は、

カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)の日本研究センターが主催する個人を対象とした賞で、 過去には世界的に活躍する村上春樹さんや宮崎駿さん、 坂本龍一さん、

梶田隆章さんが受賞。 同校での授賞式は9月30日(金)午後(現地時間・日本時間10月1日午前)開催。 柳美里さんは現地会場で参加し、

授賞式のほか受賞スピーチなども行われる予定です。

https://ieas.berkeley.edu/news/announcing-2022-berkeley-japan-prize-recipient

受賞にあたりまして、 柳美里さんと同校の日本研究センター長を務める羽生淳子教授のメディア向けオンライン記者会見を開催します。 上記授賞式終了後となりますので、

10月1日(土)午後1時ごろからの開催予定です。 (会見取材のお申し込み・詳細につきましては、 「メディア関係者限定の特記情報」をご覧ください)

近年、 世界からの現代日本文学、 特に女性作家による作品への注目が著しく高まり、 嬉しいニュースが次々と日本に届いております。 柳美里さんも2020年、

著書『JR上野駅公園口』(河出文庫)の英語版『Tokyo Ueno Station』(モーガン・ジャイルズ訳)が、

アメリカで最も権威のある文学書である全米図書賞(National Book Awards

2020/主催:全米図書協会)翻訳文学部門を受賞し国内外で大きなニュースとなったことは記憶に新しいところです。

第5回バークレー日本賞は、 8月25日(木)の学内向け発表を経て、 9月9日(金)付(日本時間9月10日(土)午前)に上記サイト(上記リンク)が更新され、

一般・報道向け発表となりました。 柳美里さんの授賞について主催者はサイトの中で、

『8月の果て』(2004年刊)や『JR上野駅公園口』(2014年刊)に触れながら、 「柳美里氏の作品には、

厳しい現実や極限状況に置かれた人々の描写が多いにもかかわらず、 その根底には希望があり、 個人の自由を尊重する多様性・公平性・包括性のある社会の構築にむけて、

日本から世界に力強いメッセージを発信し続けています」と発表しており、 このことが今回のバークレー日本賞受賞につながりました。

なお、 柳美里さんは現在、 『JR上野駅公園口』と対になる小説「JR常磐線夜ノ森駅」(「文藝」)と、

『ゴールドラッシュ』(新潮文庫)の続編となる「ダイアモンド・ピジョン」(「文學界」)を連載中です。 こちらもご期待ください。

* 「バークレー日本賞」とは

カリフォルニア大学バークレー校日本研究センター主催による、 生涯を通して世界における日本の理解に重要な貢献を行った人物に贈呈される賞です。 この賞は、

日本研究センター設立50周年を記念して2008年に創設され、 数年に1回の頻度で授賞が行われています。 これまでの受賞者は、 作家の村上春樹さん(2008年)、

映画監督の宮崎駿さん(2009年)、 音楽家の坂本龍一さん(2013年)、 物理学者・ノーベル賞受賞者の梶田隆章さん(2017年)。

この度の柳美里さんの授賞で5人目(第5回)となります。

カリフォルニア大学バークレー校はアメリカ・カリフォルニア州にある世界屈指の名門大学で、 これまで数多くのノーベル賞受賞者を輩出しています。

1958年に学内に設立された日本研究センターは、 日本に関する研究と教育に関わる学科を横断したユニットとして誕生し、

研究費助成などを通して日本研究活動を支援するとともに、 世界における日本研究のさらなる発展を目指しています。

https://ieas.berkeley.edu/centers/center-japanese-studies-cjs/events/past-events/berkeley-japan-prize

* 柳美里さんご紹介

1968年生まれ。 高校中退後、 東由多加率いる「東京キッドブラザース」に入団。 俳優を経て、 87年演劇ユニット「青春五月党」を結成。

93年『魚の祭』で岸田戯曲賞を最年少で受賞。 97年『家族シネマ』で芥川賞受賞。 2015年に鎌倉から福島県南相馬市へ転居、

2018年には南相馬市小高区にブックカフェ「フルハウス」を開業、 自ら店長を務める。

2020年『JR上野駅公園口』の英語版『Tokyo Ueno Station』(モーガン・ジャイルズ訳)で全米図書賞翻訳文学部門を受賞。

なお『JR上野駅公園口』は、 現在12の国と地域で刊行され、 4つの国と地域でも刊行準備中。