女性死刑囚の心に迫る柚月ミステリーの新境地!『教誨』 発売たちまち重版!

発売たちまち重版!

ベストセラー『孤狼の血』『慈雨』『盤上の向日葵』に連なる一年ぶりの長編!

「悲しい物語ではあるけれど、罪と罰の真髄を見た気がして心が震えた」――黒木 瞳(俳優)

吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身元引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は死刑当日の響子がどんな様子だったのか、拘置所の職員に訊ねた。

«遠くを見ながら、約束は守ったよ、褒めて、と。それが最期の言葉でした」

響子は誰かと約束をしていたらしい。

「その約束とはなんですか。誰と交わしていたんでしょう」

橘が首を横に振る。

「わかりません。最後の言葉がどのようなものであっても、立会人はなにも訊ねません」

命乞いをしても、恨み言を叫んでも、刑の執行は変わらない。どのような言葉でもただ受け止めることが、いまから死する者への恩情ということか。

響子が最後までこだわっていた約束とはなんなのか、気になる。»

(本文より)

香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。

選べない境遇、負のスパイラル・・・彼女の罪は彼女だけのせいなのか。胸の奥から憤りとやるせなさがふつふつとわき上がり、ページをめくる手が止まらない。読後、タイトル『教誨』の意味が重くのしかかる。

「自分の作品のなかで、犯罪というものを一番掘り下げた作品です。執筆中、辛くてなんども書けなくなりました。こんなに苦しかった作品ははじめてです。響子が交わした約束とはなんだったのか、香純と一緒に追いかけてください」――柚月裕子

【全国の書店員さんから反響続々!!】 *

「読み終えてあまりにも切なく哀しく、しばらく放心状態でした。響子の最期の言葉の意味が分かった時、涙が止まりませんでした」(紀伊国屋書店エブリイ津高店

高見晴子さん)

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「哀しくてやり切れない思いを終始抱えながら読みました。“罪を憎んで人を憎まず”という言葉を、本当の意味で初めて理解できたような気がします」(六本松蔦屋書店

山田麻奈未さん)

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「重厚かつリアリティに満ちた社会派小説。人の深き業を完璧に書き切っており、読む者の感情を揺さぶる。ラストの一言には強く頷くほかない」(エムズエクスポ花巻店

菅野樹さん)

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『教誨』

著/柚月裕子

定価:1760円(税込)

判型/頁:4-6/320頁

ISBN978-4-09-386664-4

小学館より発売中(11/25発売)

本書の紹介ページはこちらです↓↓↓

https://www.shogakukan.co.jp/books/09386664

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【著者プロフィール】

柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)

1968年岩手県生まれ。2008年『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。他の著書に、『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオの咲く夏』などがある。