調査レポート「夕食に関する調査 夕食に対する意識編」

夕食に対する意識編」 女性は男性に比べて、夕食は誰かと会話を楽しみながらゆっくりゆったりと食べたい意識が強い

朝日大学(岐阜県瑞穂市)の附属研究機関である朝日大学マーティング研究所(所長

中畑千弘)は、コロナ禍を経た現在の夕食の状況とその変化について調査を行いました。その結果、女性は夕食について、「誰かと一緒に食べたい」「会話しながら食べたい」「ゆったりゆっくり時間を掛けたい」などのイメージが男性よりも強いことがわかりました。

調査の背景

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行して、日常生活にも様々な変化が出始めています。このような環境下、コロナ禍の数年間で変わった生活スタイルが、移行後の現在の生活にどのような影響を与えているのかを把握するために、平日を中心に夕食に焦点をあてて調査を行いました。

「夕食に関する調査 夕食に対する意識編」の主な結果

■年代に関わらず、夕食に対する伝統的な意識が根強く残っている

夕食内容に対する意識に関して、「あてはまる」の回答が最も多かったのは「自分や家族が調理している」であり、特に女性で多かった。年代差は小さく、どの年代においても夕食は手間を掛けて作るものという意識が強い。次に多かったのは「「主食+主菜+副菜」が献立の基本である」であり、こちらについても男性より女性のほうが高い。

さまざまな生活様式の変化があるなかで、夕食に関しては、年代に関わらず伝統的な意識が根強く残っている。夕食の準備・片付けに関しては時短・省力化の手段が増えたが、自ら調理する過程は残っており、食卓に「主食、主菜、副菜」を並べることから気持ちが離れたわけではない。夕食ビジネスでは単に時短・省力化を追求するのではなく、夕食に対する伝統的な意識にも気を配ったマーケティング戦略が望まれる。

■誰かと会話をしながら夕食を摂るイメージは、男性より女性のほうが強い

夕食の主なイメージとしては、「1日3食のなかで要となる食事である」「1日のなかで楽しみな時間のひとつである」「なるべく自宅で食べたい」の3つが挙げられる。その他のイメージについて、性別でみると「誰かと一緒に食べたい」「会話しながら食べたい」「ゆったりゆっくり時間を掛けたい」で男女差が特に大きく、いずれも女性のイメージが強い。夕食を単なる食事時間としてではなく、誰かとの会話をゆっくり楽しむ時間と考えるのは女性に多く、男性には少ない。

男性のなかでも特に若い世代(18~39歳)で、そのイメージが弱い。夕食が家族団らんの場となりやすいのは女性である。例えば、テレビを見ながら夕食を食べる際に会話が弾みやすいのは女性である。夕食時の家族視聴を想定したテレビ番組には、女性が興味関心を持ちやすい内容であることが重要ポイントとなる。

■コロナ前に比べて自宅で食べる頻度や夕食のための消費金額が増加

夕食に関してコロナ前と比べて「増えた・長くなった」の割合が最も高いのは「自宅で食べる頻度」で、「夕食のための消費金額」「加工食品や冷凍食品の利用頻度」「ひとりでの食事の頻度」が次いで高い。「自宅で食べる頻度」は男女の18~49歳で増えたが、男女の50~59歳ではあまり増えなかった。コロナをきっかけに若い世代や家族世代の自宅での夕食機会が増えている。また「ひとりでの食事の頻度」は男女の18~29歳で増えている。

コロナで外での夕食が難しく自宅での夕食が増えたことで、友人知人との食事機会がなくなったことが主な要因と思われる。自宅での食事頻度が増えると家族と一緒の食事機会も増えるように推測するが、18~29歳では逆にひとりでの食事機会が増えている。自宅での夕食は必ずしも家族団らんの機会とはならない。

■今回の調査を通じて

日常生活には便利な道具やサービスが増えており、夕食についても時短や省力化を実現する手段が増えている。しかし、生活者には、夕食は「自分や家族が調理している」という人が多数を占めており、「「主食+主菜+副菜」が献立の基本である」の意識も根強い。時短や省力化の一方で、ある程度の手間を掛けたという満足も得られるような手段が望まれる。

また、夕食に「誰かと一緒に食べたい」「会話しながら食べたい」「ゆったりゆっくり時間を掛けたい」のイメージを強く持っているのは女性であり、男性は弱い。単なる食事の機会ではなく、コミュニケーションを楽しむ機会とのイメージは女性に強い。その観点では、家族団らんを想定した夕食ビジネスについては、女性のほうがメインターゲットに相応しい。

調査の詳細

「夕食に関する調査(夕食に対する意識編)」

■調査期間:2023年9月25日(月)~ 9月29日(金)

■調査方法:朝日大学マーケティング研究所のパネル利用によるインターネット調査

■対象者:居住地 関東(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)

年 代 20代・30代・40代・50代

性 別 男女

■回収サンプル数:424名

調査データはこちら:

http://marketing.asahi-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/10/2312.pdf

朝日大学マーティング研究所「公開リサーチデータ」

マーケティング研究所では、話題のサービス、消費トレンド、世の中の新しい動きを先取りした事象について、自主的に「トピックス・リサーチ」を実施し、調査データ集積のポータルサイトとして広くデータを公表しています。また、企業様などからの市場調査のご要望にスムースにお応えするために首都圏、東海圏など全国規模のモニターにアクセスできる仕組みを保有しています。

■名称:公開リサーチデータ

■調査レポート: 200本以上

■詳細:

http://marketing.asahi-u.ac.jp/data/

朝日大学マーティング研究所について

【会社概要】

本社所在地:岐阜県瑞穂市穂積1851

所長:中畑 千弘 (経営学部教授)

事業内容: 消費行動の分析および研究、経営コンサルティン、マーケティングリサーチ、商品開発支援、

講演会・社会人セミナーの実施等

設立: 2002年4月

HP:http://marketing.asahi-u.ac.jp/

http://marketing.asahi-u.ac.jp/

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