世界6都市のタイムアウトエディターに聞く、世界目線の観光戦略。インバウンドの拡大を見込み、これから発信すべき東京の魅せ方を再考

世界6都市のタイムアウトエディターに聞く、世界目線の観光戦略。インバウンドの拡大を見込み、これから発信すべき東京の魅せ方を再考

タイムアウト東京と東京観光財団で実施した共同研究「ポストコロナにおける東京の魅せ方 タイムアウトエディターの視点から」の成果を発表

タイムアウト東京を運営するORIGINAL Inc.(代表取締役:伏谷博之、本社:東京都渋谷区)は、公益財団法人東京観光財団(東京都新宿区、理事長:金子

眞吾、以下「TCVB」)と、共同研究「ポストコロナにおける東京の魅せ方 タイムアウトエディターの視点から」を実施しました。

インバウンド(訪日客)需要がコロナ禍から回復し、さらなる拡大が見込まれる中、TCVBから『観光が新しいフェーズを迎えた今、地域はこれまでと同じ内容の魅力発信を継続していて良いのだろうか』との問いかけがありました。これを受けて、タイムアウト東京では、ロンドン、香港、バンコク、クアラルンプール、シンガポール、東京の世界6都市から、いずれも複数回以上の訪都または滞在経験のある外国人エディターを集め、オンライン座談会を実施しました。

(*座談会は2024年1月23日 21:00-23:00の間、オンラインで実施)

オンライン座談会の様子。世界6年からタイムアウトエディターが参加した

オンライン座談会の様子。世界6年からタイムアウトエディターが参加した

【東京の印象】

東京の印象を一言で表してほしいとの質問には、以下の回答がありました。共通していたのは、『巨大都市』、『エキサイティングで賑やか』、『新旧の調和』といったキーワードでした。

Exciting and vibrant

– yet safe and welcoming

– one of my favorite cities

エキサイティングで活気があり、それでいて安全で居心地がいい – 私の好きな街のひとつ (ロンドン)

Dynamic, beautiful, delicious

ダイナミック、美しい、美味しい (シンガポール)

Exciting, bustling, a good dichotomy between old and new

エキサイティングで、賑やか、そして新旧がうまく調和している (香港)

Vast, efficient, overwhelming, modern, traditional

広大、効率的、圧倒的、近代的、伝統的 (クアラルンプール)

A giant metropolis with so many things to do

たくさんの楽しみが詰まった巨大な大都市(バンコク)

【なぜ東京を訪れるのか。その魅力は何か】

パンデミックにより、人々の価値観も「将来のために貯金」から「やりたいことは今のうちに」という考えに変化したと思います。清潔、安全、便利な東京への旅行は不安も少ないですし、人気が高いのもうなずけます。(クアラルンプール)

毎回「今と同じ東京を訪れることは二度とできないんだ」と感じます。何度訪れても、東京は常に変化していて、決して制覇できないのです。(ロンドン)

多様性のある東京を数日間で楽しみ尽くすのは無理があります。ゆったり滞在してこそ隠れた魅力に出合えるのが東京。スローケーションやワーケーションにも向くでしょう。(シンガポール)

私は2023年に初めて一人で東京へ行きましたが、とても安全かつ楽しくて、一人旅にもぴったりの街だと感じました。終電でも安心感がある、スリもほとんどいないという現実に驚きました。(香港)

ポテトチップスの袋に「食べてくれてありがとう」とあり、「スナック菓子でさえ礼儀正しいんだな」と思ったんですよ(笑)。礼儀正しさもその都市の魅力となり得ますね。(ロンドン)

【東京の魅力を表す5つのキーワード】

TCVBでは、座談会を経て、タイムアウトエディターの視点で見えてきた東京の魅力として、5つのキーワードをピックアップしています。

ウォーカブル (歩いて散策ができる)

多様な楽しみ方

食・食・食体験

Solo Traveller Friendly (一人旅がしやすい)

Repeatable (何度訪れても楽しい)

これらのキーワードから見えてくるのは、圧倒的な『食体験』の人気とともに、「近代建築」「アート」「バー」「古着文化」など、東京においては、多様な楽しみ方ができるとの認識が強いことです。

また、公共交通機関の利便性の高さもさることながら、歩いて散策することで、街の魅力を発見し、楽しむことができる『ウォーカブル』な都市としての認識もあります。

加えて、街の安全が担保されており、一人旅に優しいとの評価も見えてきます。おひとり様対応のサービスの充実も魅力です。

巨大な都市であるとの認識、そして、日々移り変わり進化する都市であるとの見方もあり、一度の滞在では東京をすべて満喫することは叶わず、何度も訪れて、その多様な魅力を体験したい『Repeatable』な都市であるとの評価があります。

【東京がこれからも世界に選ばれ続けるために】

座談会の最後に、参加者から「東京がこれからも世界に選ばれるために考えるべきこと」について寄せられた意見を紹介します。

東京は10ドル以下でラーメンが食べられ、デザイナーブランドを含め、新しいもの全部をお手頃な価格帯で楽しめる都市。これが本当の特徴。 (シンガポール)

重要なことは、東京で起こっている新しいことを継続して知らしめ、東京がいつも人々の意識の上位にあるようにすること。(クアラルンプール)

東京はあらゆるタイプの旅行者を歓迎していて、その準備が整っているという事実をより良く知らしめる必要がある。また、家族旅行も大きなマーケット。幼い子供やティーンエージャーなどを連れて旅行する家族を歓迎し、きめ細かい対応をしていることをアピールするべき。(クアラルンプール)

誰も自分を特定の旅行者と限定されたくはない。(ロンドン)

東京は観光地化された場所であってはならない。観光客主導の都市は、対象を常に意識して変化・調整される傾向にある。でもそれは間違ったアプローチだと思う。(バンコク)

間違っても地元の人が行かないような、純粋な観光地であるタイムズスクエアやロンドンのレスタースクウェアのような姿にならず、東京は良い状態

を保っている。本当に東京はそれを回避しつつ頑張っている。渋谷などは、絵葉書に使われそうな場所になりがちだと思うが、土産店や観光客相手の呼び込み人ばかりがいる場所ではない。(ロンドン)

今回のTCVBとタイムアウト東京による国際的な座談会を通じて、あらためて世界目線による街の評価や取り組みのレビューの実施が有意義かつ有効であるということを強く確認することができました。世界の都市を知り尽くしたエキスパート、タイムアウトの編集者たちから寄せられたリアルな東京の印象や東京の「評価」、そして、東京の未来についての意見やアイデアは、貴重な気づきとなって、これからも世界に選ばれ続ける東京を実現することに貢献します。

【座談会参加者】

チーワ・リム(クアラルンプール)

マーカス・ウェブ(ロンドン)

ニコルマリー・ナング(シンガポール)

チェリー・チャン(香港)

トップ・コアソンブン(バンコク)

山村美穂(TCVB)

東谷彰子(東京)

ウィルケン・ホ(東京)

【参照リンク】

TCVBが発表した共同研究のレポート:

https://www.tcvb.or.jp/jp/project/postcovid_jointresearch_fnlreport_issued20240321.pdf

TCVBによるプレスリリース

https://www.tcvb.or.jp/jp/news/postcovid_jointresearch_presss_240321.pdf

タイムアウト東京に掲載された座談会についての記事:

世界中で「東京にしかないもの」とは、海外6都市のタイムアウトスタッフに聞いた揺るがぬ魅力

https://www.timeout.jp/tokyo/ja/things-to-do/tcvb-tot-roundtable-discussion-report

東京でもっとPRしてほしい所とは? 6都市のタイムアウトスタッフに聞く世界目線の観光戦略

https://www.timeout.jp/tokyo/ja/things-to-do/tcvb-tot-roundtable-discussion-report-part2

▼タイムアウト東京のガイドマップについて

タイムアウト東京のガイドマップは、2012年3月から発行され、街の散策と発見の

楽しみを伝える人気のシリーズです。「Things to

do」(=そこでしかできないこと)と、それが体験できる場所が記載された地図を掲載しています。単に街の魅力を紹介するだけではなく、そこでしかできないことを具体的に示すことにより、ユーザーの行動を喚起し回遊を促すことができます。ラグジュアリーホテルのコンシェルジュや観光案内所、空港などでも人気のガイドマップです。

▼タイムアウトについて

タイムアウトは、1968年にロンドンで創刊されたシティガイド。ローカルエキスパートが編集するガイ

ド手法が支持を集め、現在は、333都市、59カ国、14言語に展開している。地域密着のガイドでありな

がらグローバルブランドというユニークな立ち位置となっている。

▼タイムアウトマーケットについて

2014年にポルトガル、リスボン市の築150年の公共市場をリノベーションし、フードとカルチャーの融合した巨大なフードマーケット、『タイムアウトマーケット』をオープン。2019年には年間約430万人が訪れるなど、観光都市リスボンの#1デスティネーションとなった。同年、『Best

the city under one

roof』のコンセプトを掲げ、マイアミ・シカゴ・モントリオール・ブルックリン・ボストンの5都市にタイムアウトマーケットをオープン。2021年4月には中東エリア初のタイムアウトマーケットをドバイにオープンし、連日人気を博している。2025年には、アジア初出店となるフードマーケット『タイムアウトマーケット大阪』の開業が予定されている。

▼タイムアウト東京について

2009年に事業を開始したタイムアウト東京は、日本のインバウンド市場をリードするメディアとしての

ポジションを確立。日本語・英語のバイリンガルで、東京はもちろんのこと、地方も含めた日本の魅力を国内外に発信している。

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ORIGINAL Inc.のプレスリリース一覧

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/81809

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タイムアウトグループ タイムアウト東京 (運営会社 ORIGINAL Inc.)

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